討論会の帰り、初めて立ち寄ったバー“スリーバレー”で、私は夏目漱石の『こころ』に関する女性バーテンダーの疑問点に答える羽目に。文学部教授である私が、まさかこんな場所で講義することになるとは。しかも、途中からやってきた宮田という男が、あろうことか『こころ』を百合小説と断言したことで、議論は白熱し…。文学談義四編で贈る、文庫創刊60周年記念書き下ろし。
今回は文学作品の新説がテーマの物語です。
邪馬台国はどこですか?のシリーズで登場する宮田さんがこちらでも登場。
相変わらず周りの空気を一新させるというか混乱させるというか^^;
新説が登場したのは「こころ」「走れメロス」「銀河鉄道の夜」「薮の中」です。
「こころ」は全部は読んでいないのですが、今回の内容は十分わかりました。丁寧に読んで百合小説だという解釈を生み出したんでしょうね…相変わらずすごいですね。
「走れメロス」の解釈は面白かったです。セリヌンティウスの夢説。はー!そう来ましたか←
「銀河鉄道の夜」に関してはなるほどと思いましたが、どうかなぁと思うこともあって^m^賢治と父親は確執はありましたけど、仲の悪さの中にも父親の愛情を感じる出来事がたくさんあるんですよね。一方通行の愛情の場合もあるのだけど。ジョバンニとカムパネルラはジョバンニは賢治がモデルだけど、カムパネルラはトシだという説と、東京で出会った友人説もあるらしいと聞いたことがあるので、色々説があるよね。って感じで読み終えました^m^
「薮の中」はお話の内容もあまり知らなかったもので、全体的にふーんそうなんだーと言う感じだったのですが^^;こちらは鯨さん説も面白く読みました。
こちらもシリーズ化されるんですかね。ヤクドシトリオのシリーズも終わっちゃいましたし。
にしても若い人や女性を見下したような感じで上から目線なおじさんを登場させるのはもうやめてほしいかなぁと思ったりしてます。
<東京創元社 2019.12>2020.6.16読了