画家とモデル: 宿命の出会い
中野 京子
新潮社
2020-03-25


名画誕生秘話と画家の秘めた想い!ワイエス、レンピッカ、シャガール、ゴヤ、モロー、ベラスケス、サージェント…名画に刻まれた驚愕の関係を「怖い絵」シリーズの著者が読み解く!

画家とモデルの関係性を中野さんが解説されると画家の人生のバックボーンが見えてきて面白いですね。初めて知る画家もいましたが強烈なインパクトを残した人もたくさんいました。
最初のサージェントの黒人青年の絵にまず度肝を抜かれましたよね。マダムXの絵も美しくて素敵だけど、テーマである「トーマス・E・マッケラーのヌード習作」はやはり2人の関係性が親密であることを感じます。ぬくもりを感じるし表情が温かい気がしました。
モディリアニは作風も名前も知っていましたが、酒と薬に溺れ、若くして亡くなっていたことは知りませんでした。また、身重の妻ジャンヌ・エピュテルヌが後追い自殺したということも。
フォンターナというお名前も初めて知りましたが、当時見せ物としての扱いしか受けてこなかった多毛症のトニーナが描かれた絵の表情がとても穏やかで、二人の間には信頼関係が生まれていたことが伺えました。
他にも様々な画家とモデルの関係性が描かれています。中野さんの解説は本当に分かりやすくて面白いです。

<新潮社 2020.3>2020.6.3読了