2017年の第1幕上演から約2年。宮沢賢治の諸作をベースに思想家・中沢新一が脚本を書き下ろし、小林武史がオペラに仕上げた異色の舞台作品が第2、3幕を加えここに完結。
キャストには新たに俳優・満島真之介やコムアイ(水曜日のカンパネラ)等を配し、他に類を見ないフォーマットによる瞠目のオペラが登場する。

先日WOWOWで放送されていたものです。
「Reborn-Art Festival 2019」というイベントの中で上演されたもの。宮城県の牡鹿半島・石巻市街地を中心にアート・音楽・食の「総合祭」として開催されたそうです。でもこの上演自体は東京でもあったみたいですね。
宮沢賢治で検索してヒットして気になったから見たという流れなので、このイベント自体知りませんでした。
オペラって私は見たことが無いのですが、この作品は映像と歌と演技とが融合された素晴らしい舞台でした。
台詞はほぼ歌なのですが、出演者がほとんど歌手の方だったので、歌声が本当に綺麗で聞き入っていました。字幕も付いていたのでありがたかったです。
宮沢賢治役は満島真之介さん。歌声を聞いたのは初めてかも。しっかりとした太くて男性らしい、でもちょっと繊細な透き通った歌声でした。好きな声。
賢治が川に住む生物たちに必要な金雲母を取ってしまったところから物語は始まります。
そこに住む川蟹の兄弟が賢治と知り合い、共に過ごすようになります。
賢治にはとし子という妹がいました。病気を抱え、賢治はとし子を見舞い、元気づけます。
賢治が生きた世界と賢治が創り上げた物語が錯綜しています。賢治好きとしてはたまりません。
出演者は主に4人ですが、声の出演ではほうき星の声は太田光さんだし、ナレーションは安藤裕子さんだし、桜井和寿さんの歌声も聴くことが出来ます。豪華。
印象的だったのは、とし子の死の間際のシーンで「永訣の朝」を2人が歌っていた場面です。この詩はとし子が死んだ後に書かれたものですが、2人の姿と詩と歌がとても合っていて切なかったです。素晴らしかった。
銀河鉄道での物語も賢治の世界が散りばめられていて圧巻でした。
語彙力が無いのが申し訳ないくらい。
新しい解釈と、新しい融合の物語を見ることが出来ました。皆さん本当に素晴らしかった。
今更になってしまうのかもしれませんが、観ることが出来て良かったです。