新版 図書館の発見 (NHKブックス)
敦, 石井
NHK出版
2006-01-26


今、図書館の前にはかつてない大きな壁が立ち塞がり、その基本をも揺るがせようとしている。それはいったい何であろうか。一貫して日本の図書館の理論と実践を先導してきた著者たちが、まず、何のために図書館はあるのかを説き、豊富な実例を歴史的に、また現代の動向として提示しながら問題点を探り、これからの進むべき道筋を示した問題提起の書。旧版『図書館の発見』を全面改稿。

今日この本を読み終えたのですが、著者である前川さんが4月10日に亡くなられたことを知りました。
ご高齢なのは存じていましたが、まさかのタイミングで驚きました。
以前勤めていた図書館の面接で、当時の館長に「前川恒雄さんの功績をどう思うか」と質問され、当時は名前すら知らなくて恥ずかしい想いをしました。その後、調べて著作を読みました。
この方を知らないでよく面接を受けたな!っていうくらい、偉大な方でした。
1960年代、日本の図書館は利用者優先ではなく、どちらかと言うと上から目線でのサービスを行っていたそうです。サービスという言い方も語弊があるかもしれません。
現状を打破したいとイギリスへ留学し、日本の図書館とあまりにも違うことに衝撃を受け、日本に取り入れようと決意して帰国します。
日野市長となった有山菘さんと共に市民のための図書館を作ろうと奮闘し、最終的に建設が認めらず、最初に始めたのが移動図書館ひまわり号。様々な声がありながらも市民に受け入れられ、話題を呼び、日野市図書館が建設されるまでに至ったんですから本当に凄い功績を残された方ですよね。
本はとても読みやすくて分かりやすかったです。
図書館はあくまで利用者優先。利用者サービスについてが丁寧に書かれていました。
前川さんの著書は何冊か読んでおり、たくさん学びました。でも、私はそれを生かせる仕事に就いていません。いつか、生かせる仕事に就きたいです。就けるようにこれからも努力していこうと思います。
ご冥福をお祈り申し上げます。

<NHK出版 2006.1>2020.4.30読了