傷ついたひとたちが立ち上がる姿を優しく描く人気シリーズ、待望の第二弾。
母親が失踪し、アルバイト先もクビになったが、ひょんなことから「かなりや荘」で暮らすことになった茜音。彼女は元漫画家の幽霊・玲司や、編集者の美月にその才能を見出され、漫画家をめざすことに。そして新しく創刊される漫画雑誌の「新人賞」を巡り、茜音と美月のコンビに好敵手たちも現れ!?
そんな折、かなりや荘に怪しい新住人がやってきて、事件が……。
茜音の母・ましろの旅を描いた番外編「空から降る言葉」と、PHP文芸文庫版のための書き下ろし番外編「冬の魔法」も収録。

前作から数か月後の物語。といっても読んだのが結構前だったので忘れかけていたのですが^^;
読んでいくうちに思い出していきました。
主人公の茜音が相変わらず。お人好しで優しい。茜音と幼馴染で親友のユリカはモデルの仕事をしていて何だか遠い世界に行ってしまいそうと茜音は寂しいと感じています。でもそれはユリカも同じで、2人は似た者同士だなと思いました。そして、その悩みは杞憂なのにと読んでいるほうは思います。2人ともお互いの事を思い合っているし大切に想っている。その関係性が素敵で、羨ましく感じました。
美月と絵馬のライバル関係も素敵。切磋琢磨して生きてきたんだろうなー。絵馬の息子の翔馬も真っ直ぐな優しい子。みんな魅力的です。
以前出版された時はこちらの作品から次は出ていなかったようなので、今後の物語の展開が楽しみです。絵馬の秘蔵っ子の漫画家さんも登場するのかな。ましろも出てきたりするのかな。

<PHP研究所 2020.1>2020.3.21読了