杉原爽香、二十三歳の秋。大学を卒業して古美術店に勤めている爽香に、元BFの明男から突然の電話。在学中から付合っていた中丸教授夫人・真理子が、ホテルで密会中に殺されたという。無実だと言う明男を信じてかくまう爽香だったが、隠れ家から明男が姿を消した直後、第二の殺人が!登場人物がリアルタイムで成長していく人気シリーズ第9弾。

いやー…悲しい。
前回が伏線だったんだと思うところがたくさんありました。
にしても明男は本当に甘ったれですね。爽香を今まで散々傷つけておいて自分がピンチになったら深夜だろうが何だろうが助けを呼ぶって卑怯です。多分、爽香なら拒まないだろうと思っているところまで卑怯。
そして、爽香から明男を奪った祐子も結果的に卑劣な女だったんですね。もう悪口しか出て来ませんよ。
爽香に散々助けてもらっているにも関わらず、足蹴りするような仕打ち。もう読んでいて腹が立って腹が立って・・・。中丸教授だってあれは人間のクズですよ!酷すぎる…。
でもやっぱり一番許せないのは明男かな。
最後の最後まで爽香に迷惑をかけていました。自分で決断しようとは思わなかったのか…
救いだったのは爽香の両親や今日子、今日子の親がちゃんと爽香を信頼していたこと。今までだってずっと、爽香がみんなを救っていたんですからね。そこはほっとしました。
多分今作はこのシリーズの一つの分岐点だったのかなと思います。
これからどうなっていくのか、怖いけど楽しみです。

<光文社 1996.9>2020.1.22読了