どこまでも続く広大な砂漠の果て、そこには古今東西の知識のすべてが収められ、至りし者が神に等しい力を手にできる図書館があるという―長い旅路の末、たどり着いた旅人がひとり。鎖に縛められたその扉を開かんとする彼に守人は謎をかける。鎖は十本、謎も十問。旅人は万智の殿堂へたどり着けるのか!?知の冒険へ誘う傑作長篇!

タイトルが気になって手に取りました。初読み作家さんです。
一つ一つの物語も面白かったし、謎の答えも納得でした。物語がファンタジーや古代ものから近代やSFっぽくなっていくのが歴史をたどっているようで良かったですし、物語からなる答えが最後に更に繋がっていくのがまた面白かったです。
叡智の図書館での最後の答えにはもう納得です。その言葉が1番ふさわしい。
解説で著者さんが十の物語について話してくれていますが、海外の物語もあれば日本のものもありました。とても幸せな気持ちで終わる物語もあればただただつらく切ない物語もありました。そしてその物語の中でも繋がっているものもあったりして読み返したり。引き込まれました。
守人の出した答えが真っ直ぐで純粋で。だからそれを裏切ってはいけないという気持ちになりました。

<中央公論新社 2019.2>2019.6.15読了