ラスト1行まで何がおこるかわからない5つのミステリ。死後の世界と禁忌の谷に心を囚われた少女の物語「見返り谷から呼ぶ声」。村で凶兆があるたび若者が捧げられる図書館の秘密「千年図書館」。地球侵略中の異星人に遭遇した大学生の奇妙な日々「今夜の月はしましま模様?」。大きく奇怪な墓を村のあちこちに建てる男爵の謎「終末硝子」。呪われた曲を奏でた傷心の高校生におこる不可思議「さかさま少女のためのピアノソナタ」。
あらすじから「私たちが星座を盗んだ理由」を思い出しました。どの作品もまさに最後の1行でのどんでん返し。凄いですね。1作ずつ感想をば。
「見返り谷から呼ぶ声」この作品が1番好きでした。舞台も北海道でしたし。架空だけど。まさに最後の1行を読んで読み返しましたよね。そういえば…と読み返して気づきました。読んでいる最中は全然気づきませんでした^^;少女が前を向いて生きていってくれたら良いなと思います。
「千年図書館」図書館というタイトルが入ると気になりますが^^表題作ですし。この作品だけどんでん返しが意外というか面白いというか。2人はどうなっていくのかなぁ・・・
「今夜の月はしましま模様?」この作品のオチがよく分からなかったんですけども・・・^^;鯨さんの「パラドックス学園」みたいなもんですかね…読み手まかせというか読者のせいみたいな。
「終末硝子」エドワードが10年ぶりに医師として帰郷すると、たくさんの塔が建っていた…って想像するだけで怖い…。男爵の事をエドワードと同様疑っていたけど違ったんですね。全てはみんなを救うため。最後の最後まで。もう切なかったです。
「さかさま少女のためのピアノソナタ」この最後のオチの意味が分からなくて検索したら、なんと今日(昨日か)放送された「世にも奇妙な物語」でこの作品が原作でドラマ化されて放送されていたそうで!!ビックリしました。で、きっとそんなような内容なんだろうなと思いましたがオチの意味も分かったし、良い終わり方でした。最後のお話としても良かったです。聖はここまでの実力があるんだから、また弾いてほしいな。プロとかそう言うのじゃなくて純粋に楽しむ程度で。そしてきっと未来も明るいと思えました。
久しぶりの北山さんと片山若子のタッグも良かった。北山作品多いですよね。ぴったりです。
<講談社 2019.1>2019.6.8読了