かわたれどき
畠中 恵
文藝春秋
2019-02-14


かつて恋女房を亡くした江戸町名主の跡取り息子・高橋麻之助。そんな彼に、後妻とりの話がやってきたが……。人気シリーズ第七弾。
「きみならずして」
「結納前にお顔を拝見したくて」麻之助の前に可愛い娘が現れた。
「まちがい探し」
地本問屋から依頼された、金魚の横顔を頼りにした奇妙な人探し。
「麻之助が捕まった」
生き別れた息子を必死で探し当てた夫婦。だが息子は本物なのか。
「はたらきもの」
天狗が出たり金が湧いたり。江戸にはびこる不穏な噂の真相とは。
「娘四人」
出入りの同心を替えた両替屋。その娘が厄介な相談を持ち込んだ。
「かわたれどき」
洪水で九死に一生を得たお雪は麻之助のことを覚えていなかった。

シリーズも7冊目になったんですね。ずーっと色々モヤモヤしながら読んでいたこの作品^m^お由有もすっかり出なくなっちゃいましたね。本当に2人は縁がなかったということなんだろうなぁ。
色男の清十郎も前回結婚して今回は子供も生まれて、3人の関係は変わらないけど環境はちょっとずつ変わっていっているんですね。麻之助もそろそろ後添えをと言われるようになってきました。今回はお雪という女性がよく登場していたので、おや?これはもしや?と思っていたらやっぱりそんな展開に。お雪の容赦ない言い方が私も好きでした。麻之助のことをおじさんといって翻弄させるお雪。それなのに最後のお話が切なかったですね。ここでもすれ違い。そして凄く気になる終わり方でした。次に続くのですね。
どうしてもお寿ずの事を好きになれないでいたイチ読者ですが、麻之助はちゃんとお寿ずの事を愛していたんですね。その想いも大事にしつつ、幸せになってほしいです。

<文藝春秋 2019.2>2019.3.30読了