『ガリレオ、再始動!』
シリーズとしては、6年ぶりの単行本が、長篇書下ろしとして堂々の発売!
容疑者は彼女を愛した普通の人々。哀しき復讐者たちの渾身のトリックが、湯川、草薙、内海薫の前に立ちはだかる。
突然行方不明になった町の人気娘・佐織が、数年後に遺体となって発見された。容疑者はかつて草薙が担当した少女殺害事件で無罪となった男。だが今回も証拠不十分で釈放されてしまう。さらにその男が、堂々と遺族たちの前に現れたことで、町全体を「憎悪と義憤」の空気が覆う。
かつて、佐織が町中を熱狂させた秋祭りの季節がやってきた。パレード当日、復讐劇はいかにして遂げられたか。殺害方法は?アリバイトリックは?超難問に突き当たった草薙は、アメリカ帰りの湯川に助けを求める。
第一作『探偵ガリレオ』の刊行から二十年――。シリーズ第九作として、前人未踏の傑作が誕生した。
ガリレオシリーズが始まって20年が経つんですね。
私が最初に読んだのは「容疑者Xの献身」だったと思うので途中ではありますがそれでも13,4年経っているんですよね。月日が経つのは本当に早いです…。
今回の事件はまたなんとも切ないですね…。
始めは佐織が行方不明となり、数年後に遺体となって発見されたことで犯人は誰かという話だったはずなのに、途中で急展開していきました。きっと佐織の事件についても何かあるんだろうなとは思いましたが、一筋縄ではいきませんね。
読んでいると湯川と草薙もだいぶ年を重ねたなぁという意印象を受けました。20年は経っていないにしても、ある程度の年数は経っているんだろうな。内海も少し年を重ねている印象でした。
事件の真相はとても複雑でしたが、愛する人の恨みを晴らすために行った行動での結末としては良かったと思います。ただただ無罪となった男がクズだったんですよね。そのせいで沢山の人が苦しみ、悲しんだ。
ちゃんと事件が終わったので良かったです。
湯川はなんだかんだで情に厚い人なんですよね。草薙のために動くし、あの人の話が出てくるとは思いませんでした。面白かったです。
<文藝春秋 2018.10>H31.3.7読了