ナナメの夕暮れ
若林 正恭
文藝春秋
2018-08-30


オードリー若林、待望の新エッセイ集!
『完全版 社会人大学人見知り学部 卒業見込』から3年。
雑誌「ダ・ヴィンチ」での連載に、大幅に書き下ろしエッセイを加えた、「自分探し」完結編!
ゴルフに興じるおっさんなどクソだと決めつけていた。恥ずかしくてスタバで「グランデ」が頼めない。そんな自意識に振り回されて「生きてて全然楽しめない地獄」にいた若林だが、四十を手前にして変化が訪れる――。
ゴルフが楽しくなり、気の合う異性と出会い、あまり悩まなくなる。だがそれは、モチベーションの低下にもつながっていて……
「おじさん」になった若林が、自分と、社会と向き合い、辿り着いた先は。
キューバへの旅行エッセイ『表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬』では第三回斎藤茂太賞を受賞。 「生き辛い」と感じている全ての人に送ります。

若林さんが考える生きづらさがとても共感できました。なぜみんなと同じ意見ではないのか。なぜみんなはやらないのか。小さい頃からそういう疑問って大なり小なりありました。でも、目立ちたくないから言わないまま流されて今に至る。
今も昔も、私も生き辛さを感じます。それもきっと誰しもが少なからず考えていることで。それを若林さんが言葉で表してくれているから、あぁ、私だけじゃないんだってそれだけで救われます。人に言わないにしても、こういう考えを持ったまま生きていって良いんだなと思えます。
私も若林さんと同じでどこか鳥瞰的で、ひねくれてて、でもそんな自分が嫌というか変わりたいとも思っていて、でもどう変わったらいいのか分からない。30代になっても変わらないです。でも、それでいいんですよね。
私も自分に自信が無くて、自信を持って楽しそうに生きている人が羨ましくて仕方がなくて。その人との違いは何だろうって思ったりもしました。でも、それに対する答えも教えてくれたような気がします。
私はどう思っているのか、私はどうしたいのか、私は何が好きなのか。
私もちゃんと向き合って、私というものを知って、少しは自分の事を好きになって、これから生きていけたらいいなと思えました。

<文芸春秋 2018.8>H31.2.3読了