大学院修了後に博士研究員となった私は、所無駅付近で自分そっくりの女性と遭遇する。白い髪、白い瞳、白いワンピースの彼女はあきらかにこちらを見つめていた。学部長の唐草教授の紹介で出会った反美学研究者、灰島浩平にその話をすると、様々な推理を展開する。本来なら黒猫に相談したいところだったが、黒猫の言葉―とにかく、まだ結婚は無理―がひっかかり、連絡できずにいた。白を基調にした都市開発計画が持ち上がる所無。自宅に届いた暗号が書かれた葉書。私そっくりの女性となぜか会っていた母の雪絵。いったい私の周りで何が起きているの―?アガサ・クリスティー賞受賞作から連なる人気シリーズ、待望の再始動。
いつのまにか前シリーズが終わっており、第2部に突入してました。え?何か前振りあったっけ?^^;
黒猫と付き人は恋人同士になり、28歳になっていました。そして結婚の話まで出てきているようになっているとは。酔っぱらってけんかして、その直後に滋賀県に出張に行ってしまった黒猫。その間に「私」は自分にそっくりな女性を見かけます。ドッペルゲンガーではないかと怯える「私」。黒猫に助けを求めたいけど出来ない。
そしてお母さんまで絡んできて一体どうなるんだろうとドキドキしていましたが、結論としてはそういうオカルトのようなものではなくて、母も「私」も深く関わらなければならない問題でしたね。そして「私」が思い悩んでいる時、そして窮地に立たされた時、助けてくれるのはやっぱり黒猫なんですよね。
2人の関係が発展してもやっぱりきゅんきゅんしてしまいます。
また、新しくシリーズが始まったということでこれからも2人の姿を見られることがとてもうれしいです。
<早川書房 2018.12>H31.1.23読了