美が招くのは幸運か破滅か? 肖像の奥に潜む、秘められたドラマとは。
絵画のなかの美しいひとたちは、なぜ描かれることになったのか。その後、消失することなく愛でられた作品の数々。本書では、40の作品を中心に美貌の光と影に迫る。
――美を武器に底辺からのし上がった例もあれば、美ゆえに不幸を招いた例、ごく短い間しか美を保てなかった者や周囲を破滅させた者、肝心な相手には神通力のなかった美、本人は不要と思っている美、さまざまですが、どれも期待を裏切らないドラマを巻き起こしています。それらエピソードの数々を、どうか楽しんでいただけますよう。
「世界一受けたい授業」にもよく出演されている中野さんの著作。わかりやすくて面白くて大好きです。今回も面白かった。
画家の人生も色々ですが、モデルとなった人の人生も色々なんですよね…。
印象的だったのは女性画家アルテミジアが書いた「ユーディトと侍女」かな。私も女だからかユーディトがめちゃくちゃカッコよく見えました。おかしいと異論を唱えた大物男性芸能人?は世界一受けたい授業に出てた人なのかな?濁してましたけど。
あとはローランサンが書いたココ・シャネル。この作品はテレビ番組か何かで見たことが有りますが、確かにどうしてローランサンがこんなに寂寥感あふれる感じにシャネルを書かれたのか…。
表紙のクラムスコイの「忘れえぬ人」は本当にインパクトが強いですね。目力が強くて貴賓もあるこの女性の末路を知って、もの悲しくもなっちゃいましたが…。
こうした絵の中に潜む謎や歴史を知ることが出来て、面白かったです。
<PHP研究所 2018.6>H30.1.5読了