花だより みをつくし料理帖 特別巻花だより みをつくし料理帖 特別巻
著者:眦聴
角川春樹事務所(2018-09-01)
販売元:Amazon.co.jp

澪が大坂に戻ったのち、文政五年(一八二二年)春から翌年初午にかけての物語。店主・種市とつる家の面々を廻る、表題作「花だより」。澪のかつての想いびと、御膳奉行の小野寺数馬と一風変わった妻・乙緒との暮らしを綴った「涼風あり」。あさひ太夫の名を捨て、生家の再建を果たしてのちの野江を描いた「秋燕」。澪と源斉夫婦が危機を乗り越えて絆を深めていく「月の船を漕ぐ」。シリーズ完結から四年、登場人物たちのその後の奮闘と幸せとを料理がつなぐ特別巻、満を持して登場です!

シリーズ完結から4年が経ち、ついに特別巻が刊行!
ずっと読んでいた方からすると待ちに待ったですよね。私は読み始めたのが遅くて、10巻目を読んだのが今年の7月なのでちょっとしかあいていないのでちょっと得した気分というかなんというか^^
「花だより」本当に種市さんは純粋で素直ですよねー。占いなんて!と思いつつもうじうじ気にしちゃってる姿が愛おしかったです。でも、たくさんの人が心配してくれて、とても幸せな人になったなぁと思いました。そして勘違いが分かってやらかしちゃうのとかホント種市さん。健康に気を付けて長生きしていただきたいものです。個人的には太一ちゃんと健坊が仲良しなのが嬉しくて微笑ましかったです。
「涼風あり」小松原様のお話。ずっと気になっていました。澪のためとはいえ違う方と夫婦になるというのは寂しいものがありましたが、乙緒とは何だかお似合いな気がしました。小松原様が幸せそうで良かったです。
「秋燕」野江ちゃんの話はもう涙なしでは読めませんでした。ずっと気にかけていた又次のこと。2人の間にあんな過去があったとは…お互いに命の恩人だったんですね。又次だってきっと野江ちゃんには家族を持って幸せになってほしいと絶対に願っているはずです。これからもきっときっと絶対に幸せになるはずです。
「月の船を漕ぐ」最後は澪のお話。大坂に来ても色々ありますね。また眉が下がっちゃいます。源斉先生の事がとても心配でしたが、本当に良かったです。澪と同様に涙が出ました。お人好しで不器用な夫婦ですから、きっとまた何かあるかもしれませんが、それでもこの2人だからこそ乗り越えられるはずです。最後はもう涙涙でした。
本当に終わっちゃったんだなぁと名残惜しく、余韻を残したまま読み終えました。

<角川春樹事務所 2018.9>H30.12.1読了