八咫烏外伝 烏百花 蛍の章 八咫烏シリーズ (文春e-book)八咫烏外伝 烏百花 蛍の章 八咫烏シリーズ (文春e-book)
著者:阿部 智里
文藝春秋(2018-05-10)
販売元:Amazon.co.jp

八咫烏の一族が支配する異世界・山内。世継ぎ争い、后選び、天敵の侵入と戦争―壮大な歴史の流れの中、語られなかったあの人たちの物語。

「しのぶひと」第4シリーズ『空棺の烏』の頃の物語。真赭の薄は出家している身とは言え、美貌は変わらず美しいためにいろんな人から縁談が来る。そこへ澄尾が相手として雪哉はどうかと若宮と浜木綿に助言する。この縁談は真赭の薄が嫌がったことで無くなるのだけど、澄尾は何とも余計なことをしたわけですね^^;若宮たちも賛同するというのがなんというか←雪哉の縁談の理想の相手というのがまた雪哉らしいですね。そういえば若宮もそんな感じだったんでした。仲間が色白がいいとか胸が大きいとかそう理想を言ってるのが可愛すぎました^^
「すみのさくら」浜木綿と若宮の最初の出会い。なんて可愛らしい。そして切ない。2人が再び出会って夫婦となったのは運命であり必然であったのだと思いました。にしても浜木綿は言動がいちいちかっこいいな。
「まつばちりて」切なかった…本当に切なかった…。2人が違う境遇だったら…そう思わずにはいられない。でも、違う形だったらきっとこの二人は出会えなかったんだ。だから、仕方ないのかもしれない。でも、仕方ないで片づけたくはない。松韻と忍熊はののしり合いながらもお互いを尊敬し、心で繋がっていたのかなと思います。本当に悲しい…。
「ふゆきにおもう」雪哉の境遇は知ってはいたけど、母親の事をここまで深く書かれたことはなかったですよね。雪哉の母冬木、雪馬と雪雉の母梓。2人の関係が分かって良かったです。2人の母親にちゃんと愛されていたんですね。良かった。
「ゆきやのせみ」なんですかこの話は(笑)ただただ雪哉が不憫なだけなんですけど(楽しい)若宮に振りまわされて暴言を吐く雪哉の図は結構好きです^^それでも蝉…蝉…うぇ…←
「わらうひと」「弥栄の烏」のその後の話。いやー何だかニヤニヤしちゃいますね。澄尾は真赭の薄の事をそんな昔から知っていたのですか。真赭の薄が還俗しない限り二人は結ばれないし、結ばれたとしても身分の違いから色々あるかもしれないけど。それでも二人の今の関係がとても素敵だと思いました。結もとても聡明な女性ですね。真赭の薄と気が合いそうです。

外伝としてこの世界の色んな人たちをいろんな視点で読むことが出来て良かったです。
これからどんな世界が待っているのでしょう。楽しみです。

<文芸春秋 2018.5>H30.7.7読了