
著者:辻村 深月
中央公論新社(2018-03-20)
販売元:Amazon.co.jp
深夜の交通事故から幕を開けた、家族の危機。押し寄せる悪意と興味本位の追及に日常を奪われた母と息子は、東京から逃げることを決めた――。
辻村深月が贈る、一家の再生の物語。読売新聞好評連載、待望の単行本化。
新聞で連載されていた作品だったんですね。
最初、本の分厚さに驚いたのですが面白くて読む手が止まりませんでした。
夫の拳が起こした交通事故により、東京から逃げることとなった早苗と力。
日本全国縦断…横断?色んな所へ渡っていきましたねー。
拳が起こしてしまった事故から派生した出来事のせいで2人は逃げることになってしまったのだけど、途中でミステリ要素も出てきて驚きました。そこはやはり辻村さんですね。そのミステリ部分も気になるし、2人はどこまで逃げ続ければいいのかも気になるし、読ませますね^^
早苗が日本全国を逃げつつも生きる道を見つけて働いている姿は結構かっこよかったです。力が主婦としてではなく働く母親を見てみる目が変わったのも分かります。やっぱり別府で働いている姿が良かったですね。砂かけのお仕事は本当に大変そう。それでも周りの人たちは本当に優しくて、早苗も楽しそうに働いていて、ずっとこの時間が続けば良いのになと思っていたのですが…やっぱりそうはいかなかったですね。
最初は拳にイライラしてしょうがなかったのですが、やっぱり拳には拳の事情があったんですね。
この逃避行の中で、早苗も変わったと思いますが、力も立派になりましたよね。人に頼るだけではなく自ら動いていく姿は勇ましかったです。
最後に2人が向かった先…地名とタイトルがかかっているのは分かりますが、その場所は舞台に力を入れているのか結構有名な俳優さんが出演する舞台の地方公演で来る場所なんですよね。宝くじ助成ってことで安く観れるし。そこまで考えられていたのかな。なんてことまで考えてしまいました^^;
<中央公論新社 2018.3>H30.6.11読了