房総グランオテル房総グランオテル
著者:越谷オサム
祥伝社(2018-03-13)
販売元:Amazon.co.jp

東京から特急列車でわずか一時間二十分、青い海と月色の砂浜が美しい南房総・月ヶ浦。この町で生まれ育った私、藤平夏海は十七歳の高校二年生、民宿「房総グランオテル」の看板娘だ。相棒は、すさまじい美少女なのに中身がアホすぎる従姉妹のハルカ。私たちの楽しみは、オフシーズンにしかできない客室でのお泊まり会だった。明日は休校、空室ありの絶好のチャンス!のはずだったのに、今日のお客さんたちはどこか様子がおかしくて…。海辺の民宿を舞台にとびっきりの奇跡が起きる最高にキュートな物語。

越谷さんの最新作!
今回の舞台はホテル…というか旅館?ですね。
平日のお客様は3人。陽気な長髪の中年男と疲れた顔をしている30代OLと自称カメラマンの20代の男。それぞれが怪しげな雰囲気を持っていて夏海たち家族は少し困惑します。特にOLはもしかして…と疑い、家族はあの手この手で女性を明るい気持ちにさせようと奮闘します。
この家族の明るさが良いですね。客商売だから当たり前なのだけど、でもこの3人の人当たりの良さが読んでいて伝わってきました。
物語は高校生の夏海と3人の宿泊客目線で順番に物語が展開していきます。
OLの落ち込み具合、分かる部分がありすぎて胸が締め付けられるようだったのですが、このOLが実はとても強かった。段々強気になって逞しくなっていったのがかっこよかったです。
ラストも越谷作品らしい爽やかな感じで好きでした。

<祥伝社 2018.3>H30.4.20読了