屋根の上が好きな兄と私―宮沢賢治妹・岩田シゲ回想録屋根の上が好きな兄と私―宮沢賢治妹・岩田シゲ回想録
著者:岩田 シゲ
蒼丘書林(2018-02-01)
販売元:Amazon.co.jp

妹のまなざし。貴重な新事実、生き生きと―。宮沢賢治を愛し、関心を抱くすべての人びとに贈る。

宮沢賢治の妹シゲさんが70歳を越えてから幼少期に賢治と関わった出来事を書き留めるようになったそうで、それをまとめたものです。短い回想録ですが、妹目線の兄との何気ない会話や出来事がとても新鮮でした。
シゲと父政次郎の会話がとても印象的でした。先日「銀河鉄道の父」を読みましたが、そちらとはまた違った政次郎像が見えた気がします。
「それぞれ役割がある」という言葉、そしてトシが亡くなった時にいった「お題目」という浄土真宗であるにもかかわらず日蓮宗の唱題を言うなど、子どもをちゃんと認めていることが伺えます。お父さんは厳しいけど懐の深い方だったんだなということが分かりました。読むことが出来て良かったです。

<蒼丘書林 2018.2>H30.3.12読了