鶏小説集鶏小説集
著者:坂木 司
KADOKAWA(2017-10-20)
販売元:Amazon.co.jp

おまえの羽はどこにある? 様々な岐路で迷い、奮闘する全ての人へ―‐
トリドリな物語。旨さあふれる「鶏」小説を召し上がれ。
「トリとチキン」…似てるけど似てない俺たち。思春期のゆらぎと成長を描く/あげチキ
「地鶏のひよこ」…地方出身の父親と、都会生まれの息子/地鶏の炭火焼
「丸ごとコンビニエント」…コンビニバイトの僕が遭遇したクリスマスの惨劇とは/ローストチキン
「羽のある肉」…高校受験を控えた夏。彼女と二人で出かける/鶏手羽の照り煮
「とべ エンド」…死にたがりだった漫画家。そのエピソードゼロとは/鶏ハム

凄いですね、豚の次は鶏ですか。そして鶏料理もあるものですね。
どのお話も面白かったです。そして美味しそうでした。そして出てくる人たちが繋がっているのがまた良いですね。
次回作は牛かな?^^
「トリとチキン」春紀君と連斗君のお話。隣りの芝生は青いって言うことなんですかね。一人っ子なら兄弟が欲しいと思うし、兄弟がいれば一人っ子が良いと思う。思春期ですしね、色々思うことはあるんだろうな。でもレンの方の家族に関しては一筋縄ではいかないような気がしましたけどね、後々。家に花束持って男の子が現れたら私も小さい頃だったら王子様って思っちゃうかも。見た目にもよるけど^m^
「地鶏のひよこ」レンのお父さんの話。最初は肩身が狭い父親同士の会話なのかなぁと思ったら思わぬ方向へ行きましたね。相手のお父さんの考えは嫌でした。人は見返りを持っちゃいけないってテレビで言ってましたよ?←そこはレンのお父さんはまだ良かったかな。この親子はこれから少しずつ合うところも出てくるのかなと最後に思えました。でもまあ、親子だからって別に特別仲良くする必要もないと思いますけどね。
「丸ごとコンビニエント」この作品だけリンクが分からなかったんですよね。タカナ君のお友達がレン君とかなのかなぁ?おっさんもテンチョーも個性的な人たちだなぁと思いましたけど、血だらけで立ち向かうテンチョーは素敵でした。にしても、ローストチキンが生焼けなんてことがあるんでしょうか?更にそれだけだったんでしょうか?売ったので同じようなものがあったら大変なことになる気がするんですけど、って考えすぎですかね。
「羽のある肉」いやー可愛かったですね。初々しかったですね。美咲ちゃんは春紀君の妹だと気づいてからは尚更ニヤニヤが止まりませんでした。そうだそうだ「りゅうくん」って言ってた!ひたすら可愛くてきゅんきゅんしちゃいました。美咲ちゃんのいう「普通」の感覚は凄く大事なことだなと思いました。
「とべ エンド」私は「皆殺しレクイエム」はきっと絶対に読まないと思うんですけど^^;テーマは同じでも受け付けない一線ってありますよね。バキ君との関わりに関してもだけどなんでも受け入れてしまう戸部君に対してはイラっとするところもありましたが、怖いけどバキ君の言うことに嘘はなかったんですね。きっとバキ君は今の戸部君の活躍をちゃんと知っているんだろうな。編集長も素敵でした。

<角川書店 2017.10>H29.12.22読了