架空論文投稿計画 あらゆる意味ででっちあげられた数章架空論文投稿計画 あらゆる意味ででっちあげられた数章
著者:松崎 有理
光文社(2017-10-17)
販売元:Amazon.co.jp

蛸足大学の助教・ユーリー小松崎は、駆け出し作家の松崎有理と、学問の危機を救うため、嘘論文のでっちあげ投稿を開始!しかし、正義を振りかざす謎の機関「論文警察」の魔手が彼らに迫る!?抱腹絶倒の架空論文満載でおくる、著者ならではのサイエンス・ユーモア・サスペンス!

いやー…凄い作品でしたね。まず思ったのが注釈の幅が大きい!という←
専門用語が飛び交っているのですがちゃんと解説されているので大変分かりやすかったです。でっち上げの投稿がどんどん査読を通って受理されて雑誌に掲載されて、これは確かに本当なら学問の危機だなぁと思って読んでいましたが、ユーリーと有理の会話も面白いしでっちあげ論文もくだらなくて面白いし少しの登場でインパクトが強い黒野さんは素敵だしで良かったです。
きっかけは小松左京さんの追悼アンソロジーだったそうですが、そこからのこの1冊。凄いですねー。最後まで読むとこういうカラクリだったのかと尚更ニヤリとしてしまう感じ。
「代書屋ミクラ」で登場したトキトーさんも出てきましたねー。
元々蛸足大学は松崎作品ではよく登場しますからね。どこかですれ違っていますよね。こういうリンクも楽しいです。そしてその「代書屋ミクラ」で問題となったとある法律。それも関係していてこの作品は時系列的には一番最初なのかなーと思いました。序章みたいな。
こういう作風は理系出身の作家さんだから書ける内容だなと思いました。面白かったです。

<光文社 2017.10>H29.11.28読了