
著者:又吉 直樹
新潮社(2017-05-11)
販売元:Amazon.co.jp
一番 会いたい人に会いに行く。こんな当たり前のことが、なんでできへんかったんやろな。演劇を通して世界に立ち向かう永田と、その恋人の沙希。夢を抱いてやってきた東京で、ふたりは出会った――。
『火花』より先に書き始めていた又吉直樹の作家としての原点にして、書かずにはいられなかった、たったひとつの不器用な恋。
夢と現実のはざまでもがきながら、かけがえのない大切な誰かを想う、切なくも胸にせまる恋愛小説。
以前又吉さんがテレビで共感できない男を書きたかったというようなことをおっしゃっていたので何となく予感はしていたのですが、何一つ共感できない主人公でした。
沙希がどうしてこの男から離れようとしないのか理解が出来なかったです。
だからと言って物語が良くなかったということではありません。
又吉さんが書く文章はとても好きで、今回も読んで改めてそれを感じました。
それに、又吉さんが敢えて共感できないような男を書いたということならまさにしてやったりな感想だと思いますし^^;
ただ、テレビや書店で恋愛小説と銘打っているのをよく見かけましたが、確かに主人公は恋愛をしているけど、どちらかというと仕事と夢と現実の葛藤の方がメインだったかなと思いました。それも又吉さんらしくて良い気がしますけどね。
<新潮社 2017.5>H29.9.28読了