
著者:伊坂 幸太郎
KADOKAWA / 角川書店(2017-08-10)
販売元:Amazon.co.jp
最強の殺し屋は―恐妻家。「兜」は超一流の殺し屋だが、家では妻に頭が上がらない。一人息子の克巳もあきれるほどだ。兜がこの仕事を辞めたい、と考えはじめたのは、克巳が生まれた頃だった。引退に必要な金を稼ぐため、仕方なく仕事を続けていたある日、爆弾職人を軽々と始末した兜は、意外な人物から襲撃を受ける。こんな物騒な仕事をしていることは、家族はもちろん、知らない。『グラスホッパー』『マリアビートル』に連なる殺し屋シリーズ最新作!書き下ろし2篇を加えた計5篇。
あらすじを読まずに手に取ったのですが最初のハンコでなんのシリーズかわかりました。
「グラスホッパー」「マリアビートル」に次ぐシリーズですね。人がごみのように死んでいくシリーズ←このシリーズは面白くても人が軽々と死んでいくので今までの2作品はそこまで好きな作品とは言えないのですが^^;でもこの作品はとても好きでした。それは「兜」という人物がとても魅力的だったからだと思います。殺し屋なのに奥さんの機嫌をうかがってビクビクして生きているって言うのがギャップが凄すぎて。息子の克巳ですらなぜそこまで機嫌を取ろうとするのか、そんな生き方でいいのかと疑問を持っていましたけども^^;でも、兜は人が思っているほど奥さんのことに対して気を遣うことを辛いと思っていなくて、それ自体も幸せだと感じていたんじゃないかなと最後まで読んでいて感じました。邪魔な者は排除し、きっと殺し屋として有能だった兜。でも、克巳が生まれたことで感情は大きく変化していきます。この家族を守りたかったんだろうな。
スズメバチの駆除のために兜がした行為がおかしくておかしくて^m^何だか読んでいる側はとても愛おしかったです。
兜目線で読んでいたのに中盤にいきなりの展開になり、しかもそれが結構あっさり書かれていたので衝撃を最初感じなかったほどでした。一度さらっと読んで「…え?え?」と思い何度も読み返して衝撃を受けた…みたいな感じ^^;
そのショックを受けたまま読み続けたのですが、最後はやはり伊坂さんらしいスカッとするというか不意打ちというかやっぱりというかそんな感じの終わり方でした。
読んでよかった。素敵な愛の物語でした。
<角川書店 2017.7>H29.9.26読了
殺し屋であり、恐妻家って部分の共存がよかったですよね
そして、やっぱり後半のスカッとした感じは、
さすがの伊坂さんでぐっときました
ホワイトラビットも読みましたけど、、
2作続けて、よかったですよ!!