
著者:畠中 恵
文藝春秋(2017-04-19)
販売元:Amazon.co.jp
札差の娘と揉めて上方へ追いやられた男。その思わぬ反撃とは(「わかれみち」)。盛り場で喧伝された約束が、同心一家に再び波紋を呼び起こす(「昔の約束あり」)。麻之助の亡き妻に似た女にもたらされた三つの縁談の相手とは(「言祝ぎ」)。火事現場で双子を救った麻之助は、新たな騒動に巻き込まれる(「黒煙」)。行方不明の男を探すため、麻之助は東海道へと旅立とうとする(「心の底」)。沽券が盗まれた料理屋から、一葉が消えてしまったのは何故か(「ひとめぼれ」)。いつの世も思い通りにならない、人の生死と色事。泣きたいときほど泣けない、「まんまこと」ワールド、慟哭の第六弾。
まんまことシリーズ第6弾。
今回は小十郎さんが前作にわたって関わっていきましたね。それが胆になっていたような気がします。最後のお話にもつながりますもんね。
どのお話も切なかったです。特にお由有が嫁いでいったのには仕方ないですけど読んでいるこちら側も悲しかったですね。ずっと結ばれないかなと思っていて、申し訳ないけどお寿ずと結婚した後ももやもや悩んでいて、亡くなった時も本当に申し訳ないけどそう思ってしまって。でも、もう全てが遅かったんですよね。「重ならない縁」もあるんですよね…うん、わかっているんですが。
そして今回は女性陣が活躍していましたねぇ。女性が強い。ちょっと危なっかしさもありましたけども。
最後の一葉は可哀相でしたねぇ。まだ12歳ですもんね。見目麗しい人を見ればトキメキもします。それでも最後は現実が見えちゃいましたね。この2人もどうなってしまうんでしょう。吉五郎と一葉は微笑ましくて素敵な夫婦になりそうだと思っていたのだけど…。
清十郎のところも気になりますね。
<文芸春秋 2017.4>H29.8.24読了