
著者:三上 延
KADOKAWA(2017-02-25)
販売元:Amazon.co.jp
ビブリア古書堂に迫る影。太宰治自家用の『晩年』をめぐり、取り引きに訪れた老獪な道具商の男。彼はある一冊の古書を残していく―。奇妙な縁に導かれ、対峙することになった劇作家ウィリアム・シェイクスピアの古書と謎多き仕掛け。青年店員と美しき女店主は、彼女の祖父によって張り巡らされていた巧妙な罠へと嵌っていくのだった…。人から人へと受け継がれる古書と、脈々と続く家族の縁。その物語に幕引きのときがおとずれる。
いよいよ完結です。ここまで短いような長いような。
今回のテーマはシェイクスピア。シェイクスピアが遺した作品はどの作品も後世である現代でも根強く残っていますよね。
栞子の母親智恵子が家族を捨ててまで探していた本は何だったのか。ようやくそれが明らかになりましたね。その本を探し求めた経緯も家族が関係している。本も家族も色んな所で繋がっていてこれは因縁なんでしょうか怨念なんでしょうか^^;
今回登場した吉原という男は最初から最後まで救いようがない嫌な男でしたね。最後の最後はスカッとしましたよーもー。腹ただしいったらなかったです。
そして読み応えがあったのが智恵子と栞子の直接対決ですね。金額が積み上がっていくところは読んでいる側もドキドキしました。
智恵子は大輔に対してなかなか辛辣ですけど、多分気に入っていると思うんですよね。キツイ言い方も叱咤激励のような気がするんですけど。志田さんの言葉がとても強くて優しかったです。大輔の母親もかっこよかったですね。栞子も大輔も良い大人たちに囲まれているなと思います。
それにしてもこのシリーズは物語の中では1年しか経っていなかったんですね。濃いですね〜^^;読んでいる側は6年も経過しちゃいましたけど…。
毎回新刊が出る度にドキドキして楽しい読書の時間を過ごすことが出来ました。
ありがとうございました。そして、お疲れ様でした。
<アスキー・メディアワークス 2017.2>H29.4.3読了
いよいよ完結してしまいましたね。
吉原はビブリアにもでてきた古書「せどり男爵」みたいでした。粘着質で自分の欲しいものは人を傷つけてでも奪わなければいられないところとかが。
わたしも、せりのシーン、ドキドキしながら呼んでいました。吉原や智恵子さんは、能力は高いけれども、栞子さんに大輔くんがいるのって、大きいと思います。本の世界の外にいるからこそ、彼らが思いもつかないことができるというところが。
本編はおわってしまいましたが、あとがきで外伝的な話は続くらしいので楽しみです。