
著者:古内 一絵
中央公論新社(2016-11-16)
販売元:Amazon.co.jp
オススメ!
お待たせしました! シャールさん&「マカン・マラン」復活です!
病に倒れていたドラァッグクイーンのシャールが復活し、いつものように常連がくつろげるお店に戻った「マカン・マラン」。
そこには、やはり様々な悩みを抱えた人たちが集ってきて?
〈擬態〉だけ得意になる、ランチ鬱の派遣社員へ「蒸しケーキのトライフル」。
夢を追うことを諦めた二十代の漫画家アシスタントに「梅雨の晴れ間の竜田揚げ」。
子供の発育に悩み、頑張り続ける専業主婦へ「秋の夜長のトルコライス」。
そして親子のあり方に悩む柳田とシャール、それぞれの結論とともに食す「再生のうどん」。
共感&美味しさ満載、リピート間違いなしの1冊です。
読みました…。またこの作品に出会えてよかったです。こうして傍で優しく寄り添ってくれるような作品があって本当に嬉しいです。
「蒸しケーキのトライフル」私が言うのもなんだけどマナチー←はいくらでも変われるのにななんて読んでいて思いました。世界は広いのに。きっと広い世界を知ることが出来る人なのに。母親の言葉、ショックだっただろうな。何も言わずに傍にいてくれたおばあちゃんの存在が大きかったというのも凄く気持ちが分かって、変わっていく姿が読んでいて嬉しかったです。また、前作で登場した常連さんたちがみんな登場してそれも嬉しかった。マナチーにシャールさんが言った「それで充分」という言葉。私の心にも深く刻まれました。
「梅雨の晴れ間の竜田揚げ」裕紀の気持ち、凄くよく分かる。子供の頃に抱いた親に対する感情って大人になってもぬぐえないですよね。親だって人間だもん。平等に子供を育てるなんて無理ですよね。それでも子供はそれを敏感に感じちゃうんですよね。もう大人だから別にいいけどなんて思っているのも事実だけど良くないって思っているのも事実で。それでもちょっと手のかかる子供とか、結婚出産をした子供とか、そっちの方が気にかかるのは当然ですよね。当然だって分かっているけど、それでも。
以前テレビである人が「親だって自分の事をちゃんと考えてみてくれてるわけじゃないじゃないですか。皆自分のことしか結果考えていないんですよ」って言っていて当たり前のことなのにハッとしちゃって。私は親に求めすぎてたんだななんて改めて思ったりして。自分自身どうしてほしいかわからないのに。
裕紀は前に進んでいきましたね。私も早く前に進んでいきたいです。
「秋の夜長のトルコライス」辻村さんの作品でもほぼ同じテーマのお話がありましたけど、今そんなに話題になっている内容なんですかね。親が自分の子育てにズカズカ入り込んでくるの。余計なお世話ですよね←時代も違うし、自分の言葉が自分の子供を縛り付けている事、ちゃんと気づいてほしいです。
「冬至の七種うどん」シャールさんにもいろんな過去があるんですよね。前作でもちらっと言っていましたけど…。柳田という存在は意外と←大きかったのかもしれないですね。最後にシャールさんに言った言葉、かっこよかったです。メタボ親父なのにやりますね(言い方)2人はこの友人関係をずっと続けていってほしいなと思います。柳田はシャールの事をずっと御厨と呼んで良いと思います。それが良いと何だか思います。
やっぱりこの作品は温かくて優しくて少し泣いた後元気をもらえます。明日からも頑張ろうと思えます。この作品に出会えてよかったです。また、シャールさんたちに逢いたいです。
<中央公論新社 2016.11>H29.2.16読了
今回はシャールさんの過去も明らかになって、ちょっと切なさもありましたね。でも柳田さんの存在がシャールさんにとって救いともなっていると思います(メタボおやじだけど笑)。私も柳田さんには御厨呼びをずっと続けてほしいと思います。シャールさんがどんなに嫌がっても!