我ら荒野の七重奏我ら荒野の七重奏
著者:加納 朋子
集英社(2016-11-04)
販売元:Amazon.co.jp

出版社に勤務する山田陽子は、息子の陽介を深く愛する一児の母。
陽介はトランペットに憧れ、中学校に入り吹奏楽部に入部したものの、トランペットからあぶれてファゴットのパートに割り振られる。陽子は思わず吹奏楽部の顧問に直談判、モンスターペアレントと囁かれるはめに。やがて、演奏会の会場予約のため、真夏に徹夜で市民ホール前に並ぶ役目にかり出された陽子は、中学生だしそうそう親の出番もないと思っていた自分の間違いに気づくのだった――。
部活動を頑張る少年少女のかげで奮闘する、親たちの姿をユーモラスに描いた、傑作エンターテインメント。

加納さんの新刊!嬉しい!と喜んでいたのですが「七人の敵がいる」の続編だったんですね。唯一加納作品の中でテイストが違うなーと思っていて、読んでいて恐怖に感じたあの作品の…←
息子の陽介君が中学生に。成長しましたねぇ。
陽子は相変わらずのブルドーザーですねー。動かざること山田のごとしと自分は思っていても、結局は先陣を切って動くことになっちゃうんですよね。そういう星の元に生まれているんですよね陽子は。
でも前作よりも読むのが辛くなかったかなぁ。でもどちらにしてもお母さんたちって大変なんだなということは変わりませんでしたねぇ。自分の子供のために。一人一人のお母さんが思っていることは一緒なのに、変な方向へ行っちゃう人もいるんですよね。
この作品の中で1番の軸だったのは東さんでしたね。
誰よりも頑張っていてでもそれが当たり前だと思われていて、ホント、可哀相だけどでも真面目で頑張り屋。娘さんもそうでしたねー。でも最初は苦手意識を持っていた東さんと陽子の関わりはどんどん波長が合っていきましたよね。それが凄く良かったし読んでいて気持ちが良かったです。
加納さんのあとがきも良かったです。お元気そうで何よりです。
そしてあとがきを読んで衝撃。陽子って「レインレイン・ボウ」にも出ていたんですね…。読んだのが10年前だからもう全く持って覚えていない…。残念。

<集英社 2016.11>H28.12.3読了