遠い唇遠い唇
著者:北村 薫
KADOKAWA(2016-09-30)
販売元:Amazon.co.jp

小さな謎は、大切なことへの道しるべ―ミステリの巨人が贈る極上の謎解き。
■「遠い唇」
コーヒーの香りでふと思い出す学生時代。今は亡き、姉のように慕っていた先輩から届いた葉書には、謎めいたアルファベットの羅列があった。
■「解釈」
『吾輩は猫である』『走れメロス』『蛇を踏む』……宇宙人カルロロンたちが、地球の名著と人間の不思議を解く?
■「パトラッシュ」
辛い時にすがりつきたくなる、大型犬のような同棲中の彼氏。そんな安心感満点の彼の、いつもと違う行動と、浴室にただよう甘い香り。
■「ビスケット」
トークショーの相手、日本通のアメリカ人大学教授の他殺死体を目撃した作家・姫宮あゆみ。教授の手が不自然な形をとっていたことが気になった姫宮は、《名探偵》巫弓彦に電話をかける――。
全7篇の、一筋縄ではいかない人の心と暗号たち。
解いてみると、“何気ないこと”が光り始める。

どの作品も短い作品なのですが確かに一筋縄ではいかない感じでした。
今回は死者が出る作品もありましたけど、北村さんはやはり日常ミステリの名手だなと思います。北村チルドレンもいますし^m^
特に表題作の「遠い唇」が印象に残っています。
学生時代に先輩が残した謎の暗号。
それをもしももらっていた時に解読していたら…そんなことを考えてもしょうがないのだけど、それでも考えてしまいます。先輩の運命は代えられなかったかもしれないけど、主人公の運命はもしかしたら変わっていたかなぁ…なんて。先輩…健気だぁ…。
「解釈」もなかなか面白かったです^m^日本人…というか地球人がなかなかいない解釈の仕方をしていて面白かった。
唯一の殺人事件が発生した「ビスケット」姫宮あゆみが作家になっているしアラフォーになっていましたね。びっくり。巫さんは一体いくつになったんだろう。謎ですが変わらず「名探偵」だったんですね。小説を読んだのは相当前だったのですがマンガも読んでいたので結構覚えていたので、また会えて嬉しかったです。

<角川書店 2016.9>H28.10.13読了