何様何様
著者:朝井 リョウ
新潮社(2016-08-31)
販売元:Amazon.co.jp

光太郎が出版社に入りたかったのはなぜなのか。
理香と隆良はどんなふうに出会って暮らし始めたのか。
瑞月の両親には何があったのか。拓人を落とした面接官の今は。
立場の違うそれぞれの人物が織り成す、`就活'の枠を超えた人生の現実。
直木賞受賞作『何者』から3年。いま、朝井リョウのまなざしの先に見えているものは――。

読んだことがある作品もあったのですが全て「何者」に関わる人が出てたなんて気づきませんでした。「何者」自体読んだのが4年前なので結構忘れちゃってたんですよね^^;普通に短編集として読みました。もったいなかったかな。
『水曜日の南階段はきれい』(光太郎)
こちらは既読でした。気づいたときに読むのを止めようかと思ったんですけど、良い話だったので最後まで読みました。夕子という人物のキャラクターが大好きです。見た目は地味そうだけど、胸に秘める想いが最後に分かって凄いなぁと感動するくらいでした^^
『それでは二人組を作ってください』(理香、隆良)
こちらも既読。こっちは嫌な印象だけ残ってるので読むの止めました←
『逆算』(サワ先輩)
いやーいやだわーそんな逆算したことないよー。でも、散々迷惑かけた人に対して「気持ち悪い」は失礼すぎないか?
『きみだけの絶対』(ギンジ)
高校生のときにちゃんとした恋愛なんてしたことなかったから、へーっていう感じだったけど^^;ギンジさんって「何者」で登場したっけ?全然覚えていない…
『むしゃくしゃしてやった、と言ってみたかった』(瑞月の父)
正美の気持ちが分かりすぎて辛かったです。私もそう。正美と同じ。妹の方が親に散々迷惑をかけてきているけど、結婚をしている妹は実家に帰ると両親に喜ばれるし、私が知らない両親の顔をたくさん知っていると思う。散々迷惑かけているくせにどうして今両親と妹はニコニコ楽しそうに会話しているんだろうって、実家にいたときは本当にイライラして辛かったなぁ〜。以前父親に「結婚や出産、何かある子供の方を気にかけるのは当たり前だろう」って言われたことがあって。ニュアンスはちょっと違うかもしれないけど。あぁ、じゃあ私はきっとこれから一生子どもとしての順位は格下なんだなって、諦めちゃったんですよね。もう好きなように生きるからいいよって開き直りました^^;
このお話の中でも出てきたけど優等生じゃダメなのかな。昔遊んでいた人の方が人生分かってるような気になっているのが不思議っていうくだりが私も胸が痛くなりました。
『何様』
ここで出てきた人も「何者」に出ていた人なんですかね(完全に忘れてる人)
前の年まで学生だった自分が面接官になるって不思議ですよね。
社会人になったら分かる就活の時の自分の無知さ加減。読んでいて面接のくだりは恥ずかしかった。
最後の君島さんの言葉が良かったなぁ。「本気の一秒」良い言葉だ。

<新潮社 2016.8>H28.9.29読了