ツバキ文具店ツバキ文具店
著者:小川 糸
幻冬舎(2016-04-21)
販売元:Amazon.co.jp

言いたかった ありがとう。言えなかった ごめんなさい。
伝えられなかった大切な人ヘの想い。あなたに代わって、お届けします。
家族、親友、恋人⋯⋯。
大切に想ってっているからこそ、伝わらない、伝えられなかった想いがある。
鎌倉の山のふもとにある、小さな古い文房具屋さん「ツバキ文具店」。
店先では、主人の鳩子が、手紙の代書を請け負います。
和食屋のお品書きから、祝儀袋の名前書き、離婚の報告、絶縁状、借金のお断りの手紙まで。
文字に関すること、なんでも承り〼。

素敵なお話でした。最後はちょっとうるっとしました。
私は字を書くのが好きです。手紙も好きだし、贈り物にメッセージカードを添えたりするのも好き。自分で言うのもなんですが、字を書くことだけは自信があります。小学生の時から字だけは上手いねと褒められていたので。字だけですけど。
でも、代書屋という、文字を生業とする仕事となると、ただ上手いだけではダメなんだなということをこの作品から学んだ気がします。依頼者に合った筆跡や文章を考えるなんて大変ですよね。それでも素敵な仕事だと思います。
鳩子も素敵な人でしたけど、周りの方々も本当に素敵。
バーバラ夫人にパンティーに男爵にQPちゃん。
皆さんと関わることで、鳩子が先代との過去を見つめ直していく姿も良かったです。
後悔は残るかもしれないけど、でも先代はきっと笑顔で鳩子を見守ってくれていると思います。
読んでよかったです。

<幻冬舎 2016.4>H28.8.7読了