ままならないから私とあなたままならないから私とあなた
著者:朝井 リョウ
文藝春秋(2016-04-11)
販売元:Amazon.co.jp

「レンタル世界」先輩の結婚式で見かけた新婦友人の女性のことが気になっていた雄太。
しかしその後、偶然再会した彼女は、まったく別のプロフィールを名乗っていた。
不可解に思い、問い詰める雄太に彼女は、結婚式には「レンタル友達」として出席していたことを明かす。
「ままならないから私とあなた」成長するに従って、無駄なことを次々と切り捨てていく薫。無駄なものにこそ、人のあたたかみが宿ると考える雪子。
幼いときから仲良しだった二人の価値観は、徐々に離れていき、そして決定的に対立する瞬間が訪れる。

「レンタル家族」レンタル家族、レンタル恋人、それが良いとは思わないけど、でも私の気持ちとしては高松さんの意見寄りかな。それは私が友人が少なかったりするからなのかなー。いくら家族になる人でも多少見栄を張りたかったりしますよね。うん、分かる分かる。私は実行には移さないと思いますけど。なにより主人公が最初から最後まで嫌いだったんですよね。本当に自意識過剰で傲慢。こんな男の人とは絶対に付き合いたくない。それでいいという確固たる自信を持っていて読んでいてホント気持ち悪かったです。何もかもさらけ出せば信頼関係が生まれるとか虫唾が走る。時と場合によりますよホント。高松さんの言葉にスカッとしました。先輩も可哀相に。
「ままならないから私とあなた」薫の言う無駄なことは私も雪子の言うように無駄なことだとは思いません。雪子が薫に言って言い返したことは究極すぎると思う…。薫の言うことも分かるけど、雪子の夢を叶えると言って研究していることは、雪子と一緒にいてどうして迷惑なんだって気づかなかったんだろう。まあ、2人の関係は小学生の時から良いような悪いようなっていう感じでしたけど…。
渡邊君と雪子の関係、凄く好きだったんだけど、どうして最後ああなった?唐突過ぎるし色々気になるし!
ただ、考えさせられる部分はたくさんありました。無駄なことって大事と私は思えました。
それにしても朝井さんはどうしてここまで女の人を上手く描くことが出来るんだろうなぁ。高松さんがあることを確認するためにした行為、よく男性が思い浮かんだなと思いましたよ…。ご本人もおっしゃっていましたけど、ホントに頭の中におばさんがいるんでしょうね^m^

<文芸春秋 2016.4>H28.5.9読了