バベル九朔バベル九朔
著者:万城目 学
KADOKAWA/角川書店(2016-03-19)
販売元:Amazon.co.jp

作家志望の「夢」を抱き、雑居ビル「バベル九朔」の管理人を務めている俺の前に、ある日、全身黒ずくめの「カラス女」が現れ問うてきた…「扉は、どこ?バベルは壊れかけている」。巨大ネズミの徘徊、空き巣事件発生、店子の家賃滞納、小説新人賞への挑戦―心が安まる暇もない俺がうっかり触れた一枚の絵。その瞬間、俺はなぜか湖にいた。そこで出会った少女から、「鍵」を受け取った俺の前に―雲をも貫く、巨大な塔が現れた。著者初の自伝的?青春エンタメ!

万城目さん10周年記念作品だそうですね。まだ10年かという感じです。
それくらい万城目さんの作品はどれも強烈で残っているんですよね。
今回はあまり内容を知らないで読んだのでどんな展開になるのか分からず読むのに時間がかかりました。
主人公は会社を辞め、祖父が残したビルの管理人をしながら小説家を目指している九朔満大。万城目さんも管理人をしながら小説を書いていたらしいですね。知らなかったです。
そんな生活を続けて2年が経ち少しずつ歪んでくる現実世界。
主人公がいったい何に巻き込まれているのか、ホントよく分からなかったです←
越えても越えても現実世界に帰ってこない。帰って来てるのか夢の中なのか。それを理解するのが大変でした。
でも、このビルの歴史をたどりながら階段を上がっていくところは切なかったですね。
そして結局最後はどうなって終わったんだろうか?←
読み終えた後に旧約聖書に出てくるというバベルの塔という存在を知りました。
それを知っていればまた解釈は違ったかもしれないです。

<角川書店 2016.3>H28.4.25読了