黒猫の回帰あるいは千夜航路黒猫の回帰あるいは千夜航路
著者:森晶麿
早川書房(2015-12-08)
販売元:Amazon.co.jp

パリで大規模な交通事故が発生。深夜、そのニュースを目にした付き人は、相変わらず連絡のない黒猫の安否が気になっていた。一年前、イタリアで二人の距離が縮まったと感じたのは、勘違いだったのか…。互いに研究で多忙な日々を送るなか、いつしか声を聞かない時間ばかりが増えていた。そんな時、大学院の後輩・戸影からペルシャ美学の教授が失踪したと連絡を受ける。黒猫のことが気になりつつ、付き人は謎を追いかけてゆくが―。待望のシリーズ第6弾!

あぁ…本当にきゅんきゅんさせるシリーズですね〜…。
第1話でパリで大規模な交通事故が起きて黒猫にメールするも返事が来ない…なんて、ホント付き人とともにちょっとドキドキしていましたけど、理由が分かればそういう事かという感じでしたよね^^;そういやタイトルにしっかり書いてあるじゃないか。
2人が結ばれるのかどうかいまだによく分からない感じですけども…。
イタリアで過ごしが一夜が逆に悪かったのか。いやいやそんなことは。
黒猫シリーズも第6弾で色々書かれ方が違ったりもしましたけど、でもやっぱりポオの作品に絡んだ今回のような連作短編がやはり一番好きだなと思います。
ポオの作品は結局まだ1冊も読んだことがないんですけど^^;
でも最初にちゃんと解説がついているので分からないということはないですし。
黒猫のお姉さんの若かりし頃の話はなかなか興味深かったな。お姉さん若い時から情熱的。その時にお姉さんから付き人へ言った言葉。弟への愛情も感じたし、付き人への気遣いや愛も感じました。じれったすぎるけど、待つしかないんですよね。
一番最後のシーン、ちょっとドキドキしました。
これから二人は再び日常へ返るのだろうけど、でもほんの少しだけ二人の距離は縮まっ…たのかなぁ。

<早川書房 2015.12>H28.1.14読了