わが心のジェニファーわが心のジェニファー
著者:浅田 次郎
小学館(2015-10-21)
販売元:Amazon.co.jp

日本びいきの恋人、ジェニファーから、結婚を承諾する条件として日本へのひとり旅を命じられたアメリカ人青年のラリー。ニューヨーク育ちの彼は、米海軍大将の祖父に厳しく育てられた。太平洋戦争を闘った祖父の口癖は「日本人は油断のならない奴ら」。
日本に着いたとたん、成田空港で温水洗浄便座の洗礼を受け、初めて泊まったカプセルホテルに困惑する。……。慣れない日本で、独特の行動様式に戸惑いながら旅を続けるラリー。様々な出会いと別れのドラマに遭遇し、成長していく。東京、京都、大阪、九州、そして北海道と旅を続ける中、自分の秘密を知ることとなる……。
圧倒的な読み応えと感動。浅田次郎文学の新たな金字塔!

今年読んだ最初の作品。
日本の様々な土地の素晴らしさを改めて知ることが出来て良かったです。
ラリーはアメリカ人で父母を知らず、祖父母に育てられた。しかも祖父が米海軍で戦争経験者であるため、日本の事をとても嫌っている。
しかし恋人であるジェニファーは日本が大好き。プロポーズした時に結婚を承諾する前に日本を旅してきてほしいと告げられる。
初めての日本でラリーが経験した様々なことは、日本人から見ると滑稽なのだけどそれぞれのお国柄というものがあるんだなと改めて感じました。それがおかしくてちょっと笑ってしまうことも結構あって。それが面白いです。
何だか無性に旅に行きたくなりました。
この本を読んでいて、どうして日本に来ることになったのか考えて私はジェニファーが実はハーフかクォーターで日本の血が入っているから見てきてほしいという意味だったのかなーなんて考えていたのだけど、ホント私の考えのような薄っぺらい展開ではありませんでした^^;
最後に行った北海道の場所は鶴居村かな。鶴が居る村。名前の通りです。私は行ったことがないのですが、行ってクレインダンスを見てみたいです。
全てを読み終えたとき、ジェニファーのラリーに対する深い深い愛情を知りました。この人以外にラリーにふさわしい人なんていないです。最後の言葉に涙しそうになりました。

<小学館 2015.10>H28.1.2読了