惑星カロン惑星カロン
著者:初野 晴
KADOKAWA/角川書店(2015-09-30)
販売元:Amazon.co.jp

コンクールと文化祭を経て、ちょっぴり成長した清水南高吹奏楽部。さらなる練習に励むハルタとチカのもとに、またもや難題が持ち込まれて―!?チカが手に入れた“呪いのフルート”や、あやしい人物からメールで届く音楽暗号、旧校舎で起きた“鍵全開事件”、謎の楽曲「惑星カロン」との出会い…。頭脳明晰な美少年ハルタと、元気少女チカの名コンビがおくる珠玉の青春ミステリ!


毎度のことながら…本当にじらすシリーズですよねー。
このシリーズ最初に出たの7年前ですよ?当時高校生だった人だって大学も卒業してますよ←
ということでいつもまだかなまだかなと待っているハルチカシリーズ。
今回も吹奏楽の大会等直接関係のあるシリーズではなかったですがどれも面白かったです。初野さんの観点が素晴らしいですし幅広い知識をお持ちなんだろうなぁということがわかります。そしてほんの少しですけど草薙先生の秘密が明らかになりましたね。ホント分かるかわからないかくらいの感じでしたけど^^;次回もう少し明らかになるんでしょうか。次回がまた何年待つことになるのか分かりませんけど←
では順番に感想をば。
『チェリーニの祝宴―呪いの正体―』
チカちゃんも面白いけどお母さんも面白いなぁ。チカママ知恵袋面白すぎます。この親にしてこの子ありなんですね。呪いの内容がちっちゃ!と思いましたけど^^;
フルートのからくりがとても面白かったです。
『ヴァルプルギスの夜―音楽暗号―』
暗号の事もそうですけど、部活動の現状という部分が闇っぽくてずしっときましたねぇ。
部活動には限らないと思いますけどある程度の制約は必要で、でもそれが厳しすぎると反感を買うし緩めるとまた問題が起きるし…学校っていう世界は本当に難しいなぁと思います。
それにしても暗号に関してはもう全く意味が分かりませんでした^^;これは音楽を専門的にやっていないとわからないですよね。やってても分からないかも…。この問題を作った人たちの正体も気になるし全貌もよく分からないし、内容は面白かったけど結末はちょっと腑に落ちなかったかもしれません。
『理由ありの旧校舎―学園密室?―』
朝学校へ来たら旧校舎の窓が全て開いていた。しかし盗まれたものは何もない。その真相とは。
ということで、もう全然覚えていなかったんですけど元生徒会長が登場←
携帯電話の予測変換のカラクリは面白かったなー。
事件?の真相もなるほどと思いました。
生物部の生徒たちの涙は一体なんだろうと思ったら…かなり意外なことで。この斜め上をよく真実が流石だなと思いました^^最後もほっとしました。良かったね。
『惑星カロン―人物消失―』
呪いのフルートで関わった楽器店の娘あゆみと出会ったチカとハルタ。
そして怪しげな講義に出席する草薙先生。
最後にこんな形でつながるとは思いませんでした。
冥王星に衛星があることはなんとなく聞いたことがありましたが、カロンっていう名前でしたっけねぇ…
(太陽系の知識は大体セーラームーンで培われている)
人工知能のデジタルツインは近い将来本当に現れそうですよね。
でも、鉄腕アトム然りクローン然り、物体として存在しなくなった人間をそっくりそのまま造り上げるというのはやっぱり無理なんじゃないかななんてことも思いました。まあ、目的はそうではないということが明らかになりましたけども。
あゆみちゃんの恋の行方は途中で予想が付きましたけど、切なかったですね。中学生が知る真実としてはあまりにも重いです。それでもきっとあゆみちゃんは『惑星カロン』を吹きこなせると思いますし、これからの糧になると思います。
そして草薙先生の事。ハルチカは意味が分からないでしょうが読者は少しだけ分かりましたね。やっぱり謎は気になりますから、早く明らかになってほしいものです。
次はいつかなー(トオイメ)

<角川書店 2015.9>H27.11.28読了