がらくた屋と月の夜話がらくた屋と月の夜話
著者:谷 瑞恵
幻冬舎(2015-08-01)
販売元:Amazon.co.jp

仕事も恋も上手くいかないつき子は、ある日、道に迷い、一軒の骨董品屋に辿り着く。そこは、モノではなく、ガラクタに秘められた“物語”を売る店だった。古い時刻表、欠けたティーカップ、耳の取れたぬいぐるみ…。がらくたばかりの「河嶋骨董店」を、今日もまた忘れてしまった大切な何かを探しにお客たちが訪れる。トランクいっぱいに、あなたへの物語が詰まっている。「河嶋骨董店」へようこそ!

温かい物語でした。がらくた一つ一つに秘められた物語がどれも温かく、そして切なかったです。装丁の中村さんの絵に惹かれて手に取ったのですが、読み終えてから表紙を見直すといろんなものが散りばめられていてじんわりします。
どのお話も良かったですが、やっぱり天地の物語が切なかったです。
1人の少年が背負った事実はあまりにも重たい。
天地が抱える闇は深くて、壁を感じました。
それでもつき子はその闇に手を差し伸べようとします。
つき子の純粋な想いが天地の心を動かしたのだと思います。
2人の今後がとても楽しみです。

<幻冬舎 2015.8>H27.11.5読了