
現在の自分に漠然とした物足りなさを感じている27歳のOL岡島タエ子は、休暇を取って姉の夫の実家がある山形へ出掛ける。東京育ちのタエ子は、小さな頃から田舎のある生活に憧れていたのだ。旅の途中で、彼女はふと小学5年生の自分を思い出してしまう。一度蘇った思い出はタエ子から離れていかなかった。小学5年生、それは女の子が一つ階段を昇って成長するためのさなぎの季節なのかもしれない。いくつも思い出が浮かんでくるのは、自分に再びさなぎの季節が巡ってきたのだろうか。もう一度、自分を見つめ直す時なのかもしれないと、タエ子は思いをはせていく。山形駅に着いたタエ子を待っていたのは、新しい農業に意欲を燃やしている青年、トシオとの出会いだった。紅花摘みに田んぼの草取り、リンゴの袋がけ。トシオの案内でタエ子は田舎の気分を満喫する。自然と調和しながら生きている農家の人々の姿に、地に足の着いた生活の魅力を発見するのだった。
8月に放送されていたこの作品をようやく全部見ることが出来ました。
私、この作品を最初から最後まで見たことがないと思ってました。でも、今回見返してみて全部見ていたことに気づきました^^;
何度か再放送されていましたが、私が目にしたのは恐らく小学生の頃。その時に正直ジブリ作品だけど面白くないと思ってしまっていて、だから印象に残っていなかったんだと思います。
この作品は子どもが楽しむための作品じゃないですよね。完全に大人向けの作品だと思います。
タエ子は時代で見るとちょうど私の両親と同じ歳くらいです。でも、私はいつのまにか凄く大人だと思っていたタエ子の年齢を超えていました。
正直子供の頃のタエ子は見ていて不快でした。それは私が子どもの頃、両親に素直にわがままを言って甘えられる末っ子の妹が羨ましくてそして少し憎らしかった長女だったからだと思います。でも小学生の時の出来事のあれこれは、懐かしいと思うところもたくさんあって、時代は違えど価値観は一緒なんだなぁとも感じたりしました。
大人のタエ子の心情は分かる部分がたくさんあって、少し胸が痛くなる部分もありました。
特に印象的だったのは、突然小学校5年生の自分を思い出し、頭から離れなくなる。それはなぜか。それはその頃のように今もさなぎから蝶になる時期なのかもしれないと思っているシーン。
私も同じ。物足りなさとは少し違うけど変わりたい、変わらなければと思っている自分がいて。
この年になって深さが分かる作品だなぁと思いました。20年くらいかかりましたけど^^;
トシオはとても魅力的な人でした。
自分に物足りなさを感じている時に、ああやって仕事に誇りを持って一生懸命働いている姿を目の当たりにしたら、惹かれちゃいますよね。タエ子が語る昔の話もちゃんと受け入れていて。好意をお互いに持っているからというのもあるかもしれないけど、でもちゃんと話を聞いてくれて受け止めて自分の意見を言ってくれる人って凄く大事だなと思いました。
私も仕事に生きがいややりがいを感じたい。そんな誇れる仕事をしたい。
今更ですが、見て良かったです。