昨日の海は昨日の海は
著者:近藤 史恵
PHP研究所(2015-07-18)
販売元:Amazon.co.jp

いつも通りの夏のはずだった。その事件のことを知るまでは……。
海辺の小さな町で暮らす高校生・光介。夏休みに入ったある日、母の姉・芹とその娘の双葉がしばらく一緒に暮らすことになった。光介は芹から、心中と聞かされていた祖父母の死が、実は「どちらかがどちらかを殺した」無理心中事件であり、ここで生きていくために事実をはっきりさせたい、という決意を聞かされる。カメラマンであった祖父とそのモデルも務めていた祖母。二人の間にいったい何が起こったのか。
残された写真が語るもの、関係者たちの歪んだ記憶、小さな嘘……。そして真相を追う光介が辿り着いた、衝撃的な事実とは……。
海辺の町を舞台に、青年のひと夏の冒険と成長を描く、切なくてさわやかな青春ミステリー。

久しぶりの近藤さん。やっぱり読ませますねー。
私は北海道から出たことがないので高知県の気候にまず驚いたかも。台風もこちらにはそこまで大きいのが上陸しないので…。
母親の姉とその子供と同居するって冒頭に言うから上手くいかないっていう「はぶらし」のような作品かなと思ったのですが違いましたね。ほっとしました。
そしてこの物語の核の祖父母の死の真相。
何もないこの地で生きていて少し退屈な光介が死の真相を知ろうと動いている姿は何だか水を得た魚のような感じでしたね。
1人で東京へ行ったくだりは詰めが甘いななんて思いましたけど^m^
祖父母のくだりはなるほどと思いましたが最後のレシートがどんでん返しなのかと思ったら裏付けのような形でちょっと拍子抜けしたかな。あれは犯人を確定したっていう意味合いなのかな。
近藤さんだからどんなえげつない最後かと思ったんですけど^m^
そこまでではなかったですね。
確かに、切なくてさわやかな青春ミステリだったと思います。

H27.8.29読了