院内カフェ (朝日新聞出版)院内カフェ (朝日新聞出版)
著者:中島たい子
朝日新聞出版(2015-07-07)
販売元:Amazon.co.jp

オススメ!
受診するほど病気じゃない。入院するほど病んでない。けれど、どこか不安な私たちは、あのカフェで、病院の傍らにいることで、癒されている。過去にあそこで「何かが良くなった」経験があるからだ。『漢方小説』から10年。新たな舞台は総合病院のカフェ。ふた組の中年夫婦のこころと身体と病をえがく、カフェの醸し出す温かさが流れる長編小説。

中島さんの作品は出る度に久しぶりに読んだなぁって思いますね^m^
でも今回は本当にこういう作品は久しぶりだなと思って読みました。ここ最近出た作品も好きですけどSFっぽい感じで、作風が少し違ったので。
今回の舞台は病院内にあるカフェでの話。
確かに大きな病院の中にはカフェがありますよね。私も入ったことがありますが、お見舞いらしき人もいれば入院患者が点滴を持って利用しているのも見たことがあります。
今回2組の夫婦が出てきましたがどちらの気持ちも分かるなぁというか切ないなぁというか。
カフェに勤める亮子とパン屋さんで働く航一の夫婦はとても好きでした。不妊治療をしても子供に恵まれない二人。お互いに申し訳ない想いを抱えているけどでもそれは同じ思いではない。男性と女性で考え方が違うのは当然なんですけど、でもわかってほしいと思うのも事実で。2人は割とちゃんと思ったことを話していたので、良いなと思いました。
カフェのお客さんだった朝子と孝昭の夫婦。こちらはお互いに思っていることが全然違いましたね。仲が悪いというわけではないのだけどお互いに対して思っている事と思われたいと思っていることが全然違って。ちょっともどかしかったです。
でも、孝昭が入院したことで2人が互いに歩み寄る姿が見れて良かったです。
村上君もなかなかいい味出していましたねー。これはもてるな。
院内カフェに出てくる人たちが少しずつ繋がっていて、ちょっとずつ変わった人たちがいて。それが何だか人と人との繋がりを感じで良かったです。
最後のクリスマスプレゼントも良かったなぁ。
素敵な物語を読むことが出来て良かったです。

<朝日新聞出版 2015.7>h27.8.27読了