禁忌禁忌
著者:フェルディナント・フォン・シーラッハ
東京創元社(2015-01-10)
販売元:Amazon.co.jp

ドイツ名家の御曹司ゼバスティアン・フォン・エッシュブルク。彼は万物に人が知覚する以上の色彩を認識し、文字のひとつひとつにも色を感じる共感覚の持ち主だった。ベルリンにアトリエを構え写真家として大成功をおさめるが、ある日、若い女性を誘拐したとして緊急逮捕されてしまう。被害者の居場所を吐かせようとする捜査官に強要され、彼は殺害を自供する。殺人容疑で起訴されたエッシュブルクを弁護するため、敏腕弁護士ビーグラーが法廷に立つ。はたして、彼は有罪か無罪か―。刑事事件専門の弁護士として活躍する著者が暴きだした、芸術と人間の本質、そして法律の陥穽。ドイツのみならずヨーロッパ読書界に衝撃をもたらした新たなる傑作。

著者の作品は短編2冊を読みましたがそれがとても面白くて今回の長編を楽しみにしていました。内容を知らずに予約したのですが何とも重たい内容だったんですね←
著者さんが弁護士さんだからか以前の作品からこういった事件や罪について書かれた作品が多い気がします。
今回は特にその「罪」についてを問いかけていた気がします。
あらすじを読むと罪についてが主なのかと感じると思いますが、まあ確かにそうなんですけど半分がエッシュブルクの生い立ちについてです。おそらくここにたくさんの伏線がはりめぐられていると思います。恐らくということではい、私たぶん全然わかっていません^^;
主人公は「共感覚」の持ち主で生い立ちが書かれている部分は読みにくいわけじゃないんですけど淡々としているような…独特な感じでした。「夜中に犬に起こった奇妙な事件」を思い出す感じです。あちらはアスペルガーか。全然違うんですけど、でも文章は彷彿とさせるような…。
そして後半は怒涛の展開。ある事件の容疑者として捕まるエッシュブルク。弁護士のビーグラーが主人公となります。このビーグラーもなかなか個性的な人。読んでいて面白いです。ある意味人間味があふれているかも。
事件の真相は驚愕。開いた口が塞がらないとはこのこと。
うわぁぁぁぁぁと思い表紙を見て更にぞぞっとする感じ。
シーラッハさんが「日本の読者の皆さんへ」というあとがきを書いてくださっています。こちらもぜひぜひ読んでほしい。
この作品を待っている最中に舞台化の話を知りました。
いやー・・・この青年を真田君が演じるの?もう、観たいに決まってるじゃないですか。
弁護士役は橋爪さん。こちらも気になります。
チケットが取れたら(ここ一番大事)観たいと思いました。
真田君がエッシュブルク(役名がそのままかは分かりませんが)をどう演じるのか、観たいです。
困ったなー。20周年のためにお金貯めなきゃいけないのにー←

〈東京創元社 2015.1〉H27.2.19読了