肉小説集 角川書店単行本肉小説集 角川書店単行本
著者:坂木 司
KADOKAWA / 角川書店(2014-10-30)
販売元:Amazon.co.jp

豚足×会社を辞めて武闘派として生きる元サラリーマン。ロースカツ×結婚の許しを得るべくお父さんに挑むデザイナー。角煮×母親に嫌気がさし、憧れの家庭を妄想する中学生。ポークカレー×加齢による衰えを感じはじめた中年会社員。豚ヒレ肉のトマトソース煮込みピザ風×片思いの彼女に猛アタックを試みる大学生。生ハム×同じ塾に通う女の子が気になる偏食小学生。肉×男で駄目な味。おいしくてくせになる、絶品の「肉小説」。

読み終えて…いや、読んでる途中でも思ったのですが…何でしょう何も食べていないのに胃もたれがします^^;
タイトルが肉小説集、その名の通り肉の部位ごとに章が分かれている短編集です。
坂木さんが関東の人で良かった…これが牛だったら読み切れていなかったかも…
お肉、好きなんですけど脂っこいのはたくさん食べられないし最初に出てきた豚足私も苦手で^^;何だか連日豚肉を食べ続けているような衝動に駆られました。一人暮らししてから尚更お肉あまり食べなくなったので尚更消化不良…
でもまあお話はどれも面白かったです。最初のお話以外はほっこりする感じでしたね。
あとがきで豚と人間の組織が似ているということを書かれていて思い出したことが2つ。
どちらも中学生時代の話なのですが当時の理科の先生が若い頃両手の甲を大やけどして皮がない状態?になったのですが皮膚の組織を作るためにしばらく豚の皮を付けていたと話していたことが一つ。同じく理科の授業で目の解剖をすることになり、通常は牛の目を使って解剖するのですが当時狂牛病が問題になっていて目が手に入らなかったらしく、先生が豚の目を用意してきたんです^^;もう見た目が完全に人間の目…コワカッタ…というのが二つ目。懐かしいなぁ。あの先生元気かな←
「武闘派の爪先」何か…よく分からなかったんですけど…ただのチンピラになりそこねた男の話ですね^^;豚足、あんまり食べたことないですけど尚更食べたくなくなりました←
「アメリカ人の王様」このお話好きです!王様と王子様!いいじゃないですか^^味覚が合わないって大変なことだと思いますけど、この家族なら大丈夫だろうと思いました。ホント王様と王子様がそっくり。見た目は全然違うのだろうけど良い父子になれそうな気がします。
「君の好きなバラ」これは完全なる反抗期ですな^^;うちのお母さんもあの人みたいに綺麗でおしゃれだったらなぁなんて聞きますけど、性格もあるだろうけどそのお母さんの姿にしてるのは自分だからね。子育てに翻弄されて自分の身なりを気にしない時期があるんだと思いますよ。私は母親になったことないし今は綺麗なお母さんばかりだからあんまり強く言えないですけど。そして私は角煮は少量ならいいですがたくさんは食べられません…。
「肩の荷(+9)」不器用な中年男性ですね^m^ホントバカ正直でクソ真面目。でもそこが魅力なんでしょうね。家族もなんだかんだでお父さんの事大好きそうですし、会社でも慕われていて、素敵な人だと思いました。
「魚のヒレ」ホラ吹きおじいちゃんの話(違う)大学生2人の会話が面白かったです。おじいちゃんのお陰?で憧れていた女性と付き合うことが出来てよかったね。
「ほんの一部」可愛らしいお話でしたねー。初めて生ハムを食べた感想は私も似たようなもんだったなぁ。今では好きだけど。

〈角川書店 2014.11〉H26.12.8読了