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著者:島本 理生
中央公論新社(2014-09-24)
販売元:Amazon.co.jp

三年間もセックスレスじゃなかったら―大人の恋愛と官能の世界。妻、母を生きる女が一線を越えるとき、そこにはどんな世界が待っているのか―。充実した毎日を送っていたはずの女は、かつての恋人と再会し、激しく身体を重ねた記憶に導かれるように快楽の世界へと足を踏み入れていく。島本理生が官能の世界に初めて挑む!

うわー…いやーだー…引いたわー…何が引いたって旦那とその家族に引いたわー…。
官能小説と書かれているし、不倫もしているのだけど、この小説のテーマは主人公塔子の成長物語だと思いました。
不倫は絶対にしてはいけないと思うのだけど、こんな生活してたら仕方ないって思ってしまうわ…。っていうか何で結婚したんだ、っていうか別れちまえよそんな旦那←
こういう会話が噛みあわない夫婦ってたくさんいるんだろうなぁ…
育った環境が違うから、価値観が違うのは当たり前だと思うんですけど、それにしても酷い。子供がそのまま大人になったみたい。マザコンとは違う気はしたけど、母親のいう事をそのまま信じて疑いもせずに大人になったんだろうなぁと思いました。
ラブホテルや風俗に対しての考えが何かまんまお母さんに言われたことそのまま鵜呑みにしてそうだし。その考えでもいいけどさ、結婚記念日に2人で食事に行ってその帰りにラブホテルの前に行ったらそりゃ奥さんは期待しちゃうと思いますよ。なのにその前の自販機で飲み物買って「たまに炭酸飲みたくなるよなー」っつってそのまま家に帰ろうとしてたら私はお前ふざけてんのか?って思うと思うよ^^;
塔子が自分を低く見積もりすぎているのも問題だと思うけど、それにしても塔子に対して見下してる感がハンパなくてイライラし通しでした。それも自分が正論で悪気がないと思っているのがものすごくタチが悪い。
塔子は社会に出て良かったと思います。鞍田と再び出会ったことも良かったと思うけど、私は小鷹君との出会いも良かったと思いました。小鷹君は最初酷い奴だと思っていたんですけど、2人が互いに自分のことを話していったあたりからは好感が持てました。明け透けに自分が思ったことをずばずば言ってくれる人ってたまにすごく必要ですよね。
結末には私は納得がいかなかったですけど、でもまあ私は結婚したことがないのでこれでよかったのかなと思うしかありません^^;
私が言うのもおこがましいですが、島本さんの作品を順番に読んでいくと島本さんの成長物語を読んでいるような気もしました。
「ナラタージュ」は10代の物語だったし、20代女性の物語、そして今回30代女性の物語。ちゃんと調べてないですけど、きっと島本さんは母親になったんじゃないかなぁと思って読んでいました。だからきっとこの作品がかけたんだろうななんて思いまして。
島本さんの作品は読むのが辛い時もありますが^^;これからも読み続けていきたいと思います。

〈中央公論新社 2014.9〉H26.10.11読了