
著者:宮木 あや子
平凡社(2014-06-20)
販売元:Amazon.co.jp
寂しい。寂しい。寂しい。でも強くなりたい。清少納言が枕草子に綴った嘘と真実とは?R‐18文学賞デビューの実力派による平安時代小説の大本命!
宮木さんの新刊だ!と思い、内容を知らずに読み始めたのですが、清少納言のお話だったんですね。以前冲方さんの「はなとゆめ」を読んでいたので、大まかな清少納言の生涯を知っていたのでそれを辿って読むような感じでした。
冲方さんの作品の方が歴史にそって堅実に?正確に?書かれているような印象です。
宮木さんが正確じゃないってわけでは決してないんですけど、こちらの方が中宮様や少納言、宰相の君や伊周の心情が深く書かれているような気がしました。
学生の時に紫式部と清少納言を同時に習いますけど、何となく紫式部の方が印象が強かったのですが、2作品読んで清少納言の方が好きになりました。紫式部目線の小説を読んでいないのがなんですが、清少納言の生き方が凄く人間味があるというか・・・。あとこの時代は当たり前なのかもしれませんけど忠義の尽くし方がハンパないというか・・・。
ここまで人に尽くせるかなぁ・・・と。そこまでできる人と出会えるのは幸せなことだなと思いました。
最後の清少納言と宰相の君のシーンが切ないけど好きでした。
〈平凡社 2014.6〉H26.9.18読了
中宮主従のお互いを思う心を始めとして、なき子と則光、なき子と伊周、中宮と主上、そのほかいろいろな思いの強い物語でした。
私は今まで「紫式部が物語への矜持を持って作品を描く」という小説をいくつか読んでたので、紫式部派だったのですが、この作品で清少納言も好きになりました。
最後の宰相の君とのシーンはよかったですね。