神様のケーキを頬ばるまで神様のケーキを頬ばるまで
著者:彩瀬 まる
光文社(2014-02-19)
販売元:Amazon.co.jp

私は他人に語れることを何一つ持っていない―むつみ(マッサージ店店主)。
やっぱりここは、俺にふさわしい七位の場所なのかもしれない―橋場(カフェバー店長)。
私から、こんな風に頭を下げてでも、離れたいのだ、この人は―朝海(古書店バイト)。
どうすればあの人は私を好きになってくれるのだろう―十和子(IT企業OL)。
私は、真夜中の散らかった1DKの部屋で、びっくりするほど一人だった―天音(元カフェ経営者)。
きっと、新しい一歩を踏み出せる。ありふれた雑居ビルを舞台に、つまずき転んで、それでも立ち上がる人の姿を描いた感動作!

彩瀬さんの文章、やっぱり凄く凄く好きだなぁ。文章との相性ってあると思う。
どの人も何かしらの悩みを抱えていて、それでもじぶんなりに答えを出して歩いていこうとしている。その姿がみんな凛々しかったです。
最初のむつみの結婚生活は読んでいてとても辛かったです。別れて正解ですよ、そんな男。私、女の人を卑下する男の人が大嫌い。男だからっていう理由で上から目線な男の人が大嫌い。だからむつみは大変かもしれないけど逃れて良かったのだと思う。息子君とも少しずつ何とかなりそうで良かった。
胸を突かれた言葉もあった。十和子の同僚の澄子がかつての彼氏に言われた言葉。「あったこともない年下の男、しかも未成年にそんな夢を見て興奮してるの、おかしい」って。
いや、私が好きな人たちは年下でも未成年でも無くておっさんだけど←でも言われていることは一緒。
澄子はだから自分が年下アイドルの追っかけをしていることを隠して男の人と付き合っている。その気持ちも分かるけど、私はどんなに好きな人が出来てもそこを否定されたら私は生きていけなくなるから隠したくないなぁと思う。だって私の全てなんだもの。そのすべてを否定されてまでその人と一緒にいたいと思えないもん。あぁ…なんかしをんさんの作品でもそういうのあったなー。同じ作品に出てきたしおりもいい味出してて好きだったな。
そんな感じで共感できるところも多々あり^^;面白いという表現とは少し違うけど、夢中になって読みました。
最後の天音と晴彦のかかわりも好きでした。こういう再生の形っていいなと。
微妙に短編がリンクしていたり、すべての作品にウツミマコトという監督の「深海魚」が絡んでました。
残念ながら私はその映画に惹かれなかったのだけど。こういうリンクも好きです。

〈光文社 2014.2〉H26.7.23読了