八朔の雪―みをつくし料理帖 (ハルキ文庫 た 19-1 時代小説文庫)八朔の雪―みをつくし料理帖 (ハルキ文庫 た 19-1 時代小説文庫)
著者:高田 郁
角川春樹事務所(2009-05-15)
販売元:Amazon.co.jp

神田御台所町で江戸の人々には馴染みの薄い上方料理を出す「つる家」。店を任され、調理場で腕を振るう澪は、故郷の大坂で、少女の頃に水害で両親を失い、天涯孤独の身であった。大坂と江戸の味の違いに戸惑いながらも、天性の味覚と負けん気で、日々研鑽を重ねる澪。しかし、そんなある日、彼女の腕を妬み、名料理屋「登龍楼」が非道な妨害をしかけてきたが・・・・・。料理だけが自分の仕合わせへの道筋と定めた澪の奮闘と、それを囲む人々の人情が織りなす、連作時代小説の傑作ここに誕生!

前々から気になっていたのですが読めていませんでした。
今年8月に刊行予定の10巻で完結だという話を伺い、これを機に読んでみようと思い手にしました。
こういう話だったんですね・・・。
澪のあまりにも辛すぎる境遇に読んでいて悲しくなりましたけども、でも澪は本当に強い子でした。そして天性の味覚を持っているんですね。それが幸福も悲劇も生み出しているような気もしますが・・・。
澪自身の努力も素晴らしいですが、周りの人たちにも恵まれましたね。店主の種市も、源斉先生も小松原もおりょうも伊佐三ももちろん芳も。
あさひ太夫の正体もすぐに気付きましたし、ストーリーもベタなんですけどそのベタさが好きです。温かくて優しい作品でした。
特に最後の章が読んでいて辛かったです。どす黒い人間の底を見せられたような。
これからもきっと辛い場面がたくさんあるんだろうなぁとも思いますが、それでも時間がかかっても読んでいこうと思いました。

〈角川春樹事務所 2009.5〉H26.7.19読了