ミドリのミミドリのミ
著者:吉川 トリコ
講談社(2014-06-19)
販売元:Amazon.co.jp

重田ミドリ、小学3年生。住み慣れた街を離れて父・広の新しい恋人―平野源三―の家に転がりこんだ。そんな事実を受け入れられないミドリの母・貴美子。だから離婚話もなかなか進まない。でも進まない理由はそれだけではなく―。よのなかにあふれる“ふつう”からほんの少し外れたところにいるミドリたち。口に出してしまったら、何かが変わってしまう、何かが壊れてしまう、そんなおそれを抱きながら生きる彼らに訪れた、幸せの結末とは。

吉川さんの作品はなんとなく不思議な設定が多いですね。
それでもリアルでふいに胸を抉られるような感覚に陥る。
今回の家族模様も独特で。それでいてみんなの気持ちが分かるような。表現するのが難しい。
それぞれの章でミドリ、広、源三、貴美子、花世の目線で描かれています。
1番広がダメ人間だったな←
もういちいちイライラして、貴美子も源三もどうしてこんな男に惹かれたのか全く意味が分からなかった(辛辣)空気読めないしいい加減だし。
家族の話、この本は変わってるから大丈夫かなと思ったけど読んでいて辛かったなー。
私は別に変わった家庭ではなかったけど、最近家族についてよく考える。
親の期待に応えるのが良いのか自分がやりたいようにやるのがいいのか。
ミドリがお母さんの前で良い子にしてるのが健気だった。その姿をお母さんが求めてるって分かってるっていうのが可哀想でした。
母親の貴美子は余裕がない女性だと思う。でも貴美子だけが悪いわけではないと思う。あんな家庭環境で育てば自分が力を蓄えて生きていかなければって思うよね。それは凄く分かる。私も似たようなことを考えているから。ただ、夫と子供が出来たのならば譲歩も必要だと思うけど。貴美子の考えは度を超えて独りよがりになっていました。
読み終えた後にもやもや色々考えてしまいました。
でもそれがダメなんじゃなくて家族って何?って自問自答するような感じ。
自分も家族について考える機会がここ数年凄く多くて。だからなおさら読んでいて辛かったです。考えても答えなんて見つからないのにね。

〈講談社 2014.6〉H26.7.7読了