就職相談員蛇足軒の生活と意見 (角川書店単行本)就職相談員蛇足軒の生活と意見 (角川書店単行本)
著者:松崎 有理
KADOKAWA / 角川書店(2014-05-31)
販売元:Amazon.co.jp

研究者志望のシーノは就職にあぶれ、嘘の家元にして特殊就職相談員、蛇足軒の秘書となった。やってくる妙な求職者たちに、あざやかな詭弁で次々と適職を与える蛇足軒。それを見ているうちにシーノは……!?

前回読んだ「代書屋ミクラ」が面白かったので、新刊を読みました。
いやー…面白かった…。
今回も主人公は蛸足大学の卒業生シーノ。前回の「出すか出されるか法」といい、今回の博士増員十万人計画といい、面白い法案が飛び交いますね。
その計画の世代に生まれたシーノはホラホラ属分類という更にマニアックな研究をしており、27歳女性独身。博士までとって9年も勉強してきたのに職は皆無。
そこでふらりと立ち寄った場所で見つけた一枚の貼紙。無口な人歓迎という求人広告でした。
そこでシーノは研究職の道を諦めずに探しつつ、この蛇足軒で働くことになります。
ここには特殊能力を持った人たちがやってきて家元に就職先を求めてきます。
その能力も面白いし就職先も面白い。
ゆっくりとした時間が過ぎていくような文章なのですがそれが良いです。
シーノ自身も悩み考えて少しずつ変わっていきます。
この子本当にしゃべっているんだろうかっていうくらい喋らないですが^^;
最後の最後の言葉だけ、かぎかっこがついているのがいいな。
人と人との関わりって良いなと思った作品でした。
蛸足大学自体も気になるし、松崎さんの文章がとても好きなのでこれからも読んでいきたいと思います。

〈角川書店 2014.5〉H26.6.25読了