
著者:蒼井上鷹
祥伝社(2013-10-29)
販売元:Amazon.co.jp
そこにいたの! ?
存在感がない男・小仏さん。小さな街で巻き起こる事件の連鎖を、史上最も影のウスイ探偵が解決する! 最後に明かされる真実に、驚愕間違いなし!
さまざまな声が小仏さんの体を素通りしていく。何だか自分が幽霊にでもなったような、妙な気分だ。
毎日通う喫茶店でも顔を覚えられず、隣に座っていても大事な話を始められてしまうほどの存在感。だがそんな彼の周囲で、不可思議な事件が起こり始める。友人に借りた自転車が盗まれ、その友人が失踪したかと思ったら、部屋からミイラ化した遺体が見つかったのだ!
ややこしい事件と絡まる糸を、解くことはできるのか!
「幽霊」のように陰から事件を追いかける小仏さん! ?そして驚愕の結末を見よ!
蒼井さんの作品を読むのは本当に久しぶりでした。
読みたかったんですけど近くの図書館に蒼井さんの本がなかなか入らなくて(買いなさい)
で、久しぶりの本作。
蒼井さんは長編も多いですが短編の印象が強いので分厚さに驚きました。でも、その厚さを感じさせないくらいぐいぐい引き込まれました。
事件についてもいろんな人がいろんな状況で絡んでくるので誰がどう繋がり、事件と関わっているのか頭の中で考えるのが大変でした^^;蒼井作品ならではですよね。
そして辿り着いた真相。なるほど、そういうことだったのか。と納得。
これで小仏さんの長い探偵ごっこは終わるのだなぁと思ってからのまさかの展開。
そうだった…蒼井作品は最後まで気を緩めてはいけなかったんでした。いやー参った参った。全然気づきませんでした。っていうか気づかないでしょ、これ!
でもその騙された感じもちょっと心地いいです。
最後まで読んでから、タイトルの「幽霊」の意味がじわじわきます。
この作品の舞台は2012年で金環日食が話題に上がっていて懐かしくも感じました。
そうか、もう2年も経つのか…
最後の猫の登場はちょっとじんわりくる感じでした。
そのふたりの姿を想像するとちょっと切なくなります。凄く好きな終わり方でした。
あー面白かった!
〈祥伝社 2013.10〉H26.6.22読了