満願満願
著者:米澤 穂信
新潮社(2014-03-20)
販売元:Amazon.co.jp

人生を賭けた激しい願いが、6つの謎を呼び起こす。期待の若手が放つミステリの至芸! 人を殺め、静かに刑期を終えた妻の本当の動機とは――。驚愕の結末で唸らせる表題作はじめ、交番勤務の警官や在外ビジネスマン、フリーライターなど、切実に生きる人々が遭遇する6つの奇妙な事件。入念に磨き上げられた流麗な文章と精緻なロジック。「日常の謎」の名手が描く、王道的ミステリの新たな傑作誕生!

米澤さんの最新刊。ずっと待っていました〜。
ブラックな短編集6編が収録されています。今まで載っていた作品が収録されているんですね。4作目の「万灯」は既読でした。
米澤さんのこの最後の一文で背筋がぞぞっとするようなお話が好き。
長編も好きだけど、短編も好きです。
「夜警」何となく予想がつきましたけど、川藤が本当に小さい男でしたねー。拳銃を用いた真実が本当に情けない。本当に仕事に向き不向きはあると思うけど、こういう人に警察官になってほしくないなぁ。
「死人宿」宿泊者3人のうち自殺しようとしている人は誰なのか。最後がもう米澤さんらしい感じでしたねー。うわー^^;その問題もそうですけど、佐和子は男の事はもう何とも思っていなかったんでしょうかね。愛情的なものが皆無でそちらも気になったのですが。でも私も佐和子と似たような経験があるので、一度そういうことがあったらよっぽどのことがないと無理だよねとも思ったのですが。
「柘榴」母と娘はやはり親子だったのかということなのかー…。凄く怖かったよ。うわーとしか思えなかった^^;
「万灯」以前感想を書いてるので割愛しますが、やっぱり悪いことはできないってことですね。
「関守」だんだん怪しい雲行きになってきたなと思いましたけども怖かった。先輩はお店に行かなかったから無事だったんですかね。
「満顔」テレビで凄く話題になっているからドキドキして読んだのですが本当にブラックでしたね。真実がそうなのかはわからないけど、妙子の諸々の想いが真実ならば、ぞぞっとしました。
後味が悪いのだけどそれでもなぜだか嫌な気がしない。こういう作品を米澤さんにはもっと書いてほしいなと思います。
勿論古典部シリーズもお待ちしております^^

〈新潮社 2014.3〉H26.5.12読了