ぼくの守る星ぼくの守る星
著者:神田 茜
集英社(2014-03-05)
販売元:Amazon.co.jp

ディスレクシア(読み書き困難)のため生きづらさを抱える夏見翔。息子のハンディキャップを受け止めきれずにいる両親。家族関係に悩みを抱えるクラスメイトの山上と中島。人生のはじまりの時間を生きる少年少女たちと、人生のとまどいの時間を生きる大人たち。それぞれの思いが交差した先に灯る、小さな光を描く連作短編集。

6編からなる連作短編集です。最初と最後が翔が主人公。翔の母、翔のクラスメートの山上、中島、翔の父と主人公が変わります。
翔自身、障害を持っていて読み書きが苦手で焦ってしまうとうまく言葉が発せられない。それを先生や生徒に笑われることが嫌で悲しくてたまらない。読んでいても嫌だなーと思いました。でも、それはとてもリアルな世界で、先生が養護学校を紹介したり、冷たい扱いを受けたり、それが現実なんだろうな。それでも翔は本当に優しくて思いやりのあるとてもいい子でした。お母さんの一生懸命さをちゃんとわかっていたんでしょうね。山上は翔のことをいじめているのかと思ったんですけど、違ったんですねー。山上を知れば知るほどなんていい子なんだろうと思いました。まほりもそう。翔の言うように、凄くいい子で頑張っているのに、どうしてまほりばかり辛い思いをしなければならないのか。
翔のお母さんも素敵でしたよ。お父さんは…これからが勝負かな。
翔が自分で考えて選んだことがとても素敵でかっこよかったです。
そういう理由でいいんですよ。そういう理由で頑張れるんですよね。
翔自身が良い子で、周りの子たちも凄く良い子たちで、みんなにとって明るい未来が待っているといいなと思って読み終えました。
読んでよかったです。

〈集英社 2014.3〉H26.5.1読了