クラーク巴里探偵録 (幻冬舎文庫)クラーク巴里探偵録 (幻冬舎文庫)
著者:三木 笙子
幻冬舎(2014-02-06)
販売元:Amazon.co.jp

オススメ!
ヨーロッパを巡業中の曲芸那須一座で、敏腕の番頭として名高い片桐孝介と料理上手の新入り山中晴彦。裕福な贔屓客から頼まれ、ストーカー退治や盗難事件の解決など厄介事の始末に奔走する日々を送っていた。華やかなパリで生きる人々の心の謎を解き明かすうちに、二人は危険な計画に巻きこまれていく。人の温もりと儚さがラストを彩る連作短編ミステリ。

三木さんの作品は文庫が出たら必ず買うようにしています。
この作品は文庫の書下ろしです。読んでよかった…本当によかったです。
孝介と晴彦の関係性がとても好きです。信頼し合っていて温かい。だけど…っていう展開です^^
1つ目の物語、ポルダーガイストの謎はなるほどと思いましたがそれよりも煙突掃除と肺結核というのが「ロミオの青い空」を思い出してたまりませんでした〜。懐かしいです。そういえば時代も場所も似ていますよね。
2つ目の物語は下宿の未亡人が怪しい男に付きまとわれているという謎。これは想像つかないラストでした。孝介が全然関係ないところを調べていたのでどうなるのかと思ったら。ちゃんと考えたうえでの追跡だったんですね。
3つ目は富くじが盗まれた話。この事件も面白かったですがそれよりもここら辺から晴彦が何かを隠していることに読んでいて気付いていきます。そして4話で真相が明らかになります。
晴彦は孝介が晴彦を思っているように孝介のことを考えていて、だからこそ辛くてたまらなかったと思います。何よりも孝介を裏切ることが辛かったんだろうな。
それでもそのあとの2人の展開がもうよすぎて…予想はしていましたけどここまで素敵だとは…。
色々ありましたけど、これで晴彦の未来は白紙になりました。
2人の関係性と未来がキラキラ輝いたものになります様に。そう願って読み終えました。
もう素敵すぎます。読むことが出来て幸せでした。

〈幻冬舎 2014.2〉H26.4.3読了